武士の「花押」にスポット　古河歴史博物館でコレクション展　6月30日まで

武士の書状に残された「花押かおう」にスポットを当てた企画展「古河の花押コレクション」が6月30日まで、茨城県古河市中央町の古河歴史博物館で開かれています。

古河歴史博物館＝古河市中央町

同博物館が所蔵する初代古河公方・足利成氏しげうじや、古河藩主で雪の結晶を研究し「雪の殿様」として知られる土井利位としつららの書状などを紹介し、花押について理解を深めることができる内容になっています。

展示されている花押やパネル＝古河市中央町の古河歴史博物館

花押は自署を図案化した署名（サイン）で、文書を代筆させることが多かった武士の世界では、証拠力や説得力を持たせることができました。自署を崩したものからマークのようなものまで多様です。

室町時代中ごろに鎌倉から古河へ拠点を移した足利成氏の花押が足利尊氏の花押を踏襲していることなどを、書状とともにパネルで説明しています。

花押が押された書状と分かりやすく拡大したパネル＝古河市中央町の古河歴史博物館

茶人の花押を集めた資料からは、足利義政や織田信長、豊臣秀吉らの花押を拡大して写したパネルを展示し、それぞれの特徴が分かるようにしています。そのほか、花押の種類や変遷などを知ることができます。

企画を担当した斎藤莉瑚学芸員は「なぜこの形にしたのかなど、思いを巡らせて見てもらえれば。お気に入りの花押を見つけるのも楽しいと思います」と来場を呼びかけています。