夏のおいしい食べ物と言えば「かき氷」。最近はシロップを工夫したりデザートのようにしたりして、個性的なかき氷が流行っています。「とりぷれ」にもいろいろなかき氷が紹介されています。
今回紹介するのは茨城県下妻市にあるかき氷店です。かき氷はレストランや喫茶店などで食べることが多いですが、下妻市には何と精肉店が営むかき氷店があります。猛暑日の午後に訪れてみました。
「ふつう」サイズを頼んだら…
かき氷を営む大塚商事(肉の大塚)は国道旧294号と県道131号の交差点にあります。
店に入ると肉を並べたショーケースはなく、代わりに居酒屋のようなカウンターに出迎えられました。とても精肉店とは思えません。
「ここでかき氷を売っているのですか」と尋ねると、店長さんからメニュー表を手渡されました。
イチゴ、ブルーハワイ、メロン…全く普通のメニューですが、ミニミニミニ、ミニミニ、ミニ、ふつうーと量(サイズ)を選べるようになっていました。
とても暑い日だったのでイチゴのふつう(500円)を注文すると、店長さんが「大丈夫ですか」と笑みを浮かべながら店の奥へ。
かき氷は一般的に1分程度でできると思いますが、店長さんはなかなか戻ってきません。5分近く経ってからとんでもないものを運んできました。
「なんじゃこりゃあ」と思わず発言。高さは30センチ以上、幅は20センチほどあるでしょうか。これまで食べたかき氷の中で間違いなく最大です。一般的なかき氷の5倍はあります。
子どもたちが立ち寄れる店に
信じられない量のかき氷をいただきながら、かき氷を始めた理由を店長さんに伺いました。
店長の大塚信祐さんは6年前に下妻市に戻り、店を切り盛りするようになりました。その時に「子どもたちに気軽に立ち寄ってもらい、喜んでもらえる店にしたい」と考え、かき氷を提供することを決めたそうです。
そして、肉のショーケースを撤去してカウンターを設置し、子どもたちがくつろげるように改装しました。
その後、願い通りに子どもたちがたくさん来てくれるようになりました。カウンターには子どもたちの写真がびっしりと貼られています。
「進学や就職でよそに行った子どもたちが今でも来てくれるのがうれしい」と信祐さん。
また、店員の塙七海さんは店長の人柄に引かれて土浦市から下妻市に移住してきたとのこと。「ここは色んな人と出会える場所。人とのご縁がありがたいです」と笑顔で話してくれました。
かき氷は冷たいですが、大塚商事(肉の大塚)のかき氷は心温まるすてきな味でした。
ところで注文した「ふつうのかき氷」は30分ほどかけて完食しました。でも最後は溶けてしまってジュース状態に。ふつうを注文したら2人以上で分け合うことをお勧めします。
おまけ 晩酌のつまみは…
本来は精肉店です。肉は注文を受けてから用意するそうです。そして筆者が取材の際に注文する総菜(揚げ物)も、注文後に揚げるそうです。
今回はチキンナゲットと春巻きを揚げてもらい、自宅で晩酌しながらおいしくいただきました。
所在地:茨城県下妻市本宿町1丁目1−1
電話:0296-44-3646
営業時間:午後1時半~午後8時半(水曜定休)※配達の都合で開店が遅くなることがあります。
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