受験シーズン真っ只中。県境を越えたつながりが深い茨城県南西部、栃木県南部、群馬県南東部の<とりぷれ>エリアでは、高校進学の際の選択肢も、自分が住んでいる県の中だけとは限りません。
では、北関東3県の公立高校入試の選抜方法や日程にはどのような違いがあるのでしょうか。2025年度(令和7年度)の入試制度・実施状況を比較すると、各県の特徴が見えてきました。
一般入学のみの茨城県
選抜方法
茨城県の県立高校入試(全日制)は一般入学のみが行われます。その中に、すべての高校が実施する共通選抜と、一部の高校で実施する特色選抜があります。
共通選抜は学力検査と調査書によって行われ、全日制課程では面接はありません(一部の学校では実技検査あり)。
特色選抜では、共通選抜と同じ学力検査に加えて、面接や作文、実技検査(各校による)を行います。
合格者が募集定員に満たない場合は2次募集が行われます。調査書と面接などの結果により、合格者を決定します。
日程
茨城県の2025年度県立高校入試(全日制)は、出願期間が2月6日(木)~2月10日(月)に設定されています(土日は除く)。
志願先変更は1回のみで、2月17日(月)~2月18日(火)の間に行えます。
期間 | |
---|---|
一般入学出願 | 2月6日(木)~2月10日(月) |
志願先変更 | 2月17日(月)~2月18日(火) |
一般入学学力検査 | 2月27日(木) |
特色選抜面接等 | 2月28日(金) |
合格発表 | 3月12日(水) |
2次募集出願 | 3月13日(木)~3月14日(金) |
2次検査 | 3月17日(月) |
2次合格発表 | 3月19日(水) |
一般入学の学力検査は2月27日(木)。特色選抜の面接などは翌2月28日(金)に行われ、3月12日(水)に合否が判明します。
2次募集は出願期間が3月13日(木)~3月14日(金)の2日間。入試は3月17日(月)に行われます。
隣県からの受験
隣接する通学区域に居住している場合、隣接学区内の県立高校に限って栃木県、群馬県、福島県、埼玉県、千葉県からの受験が可能です。
他県の公立高校との併願はできません。
出典:茨城県立高等学校入学者選抜に係るQ&A(茨城県教育委員会ホームページ)
2次募集がない栃木県
選抜方法
栃木県の県立高校入試(全日制)は、主に特色選抜と一般選抜の2つに分かれています。
特色選抜は、ほぼすべての県立高校で行われます。定員に占める割合は学校・学科によって10~50%の間でそれぞれ。面接と作文または小論文が課されます。
一般選抜は、特色選抜での合格者を除いて後日、学力検査と調査票の評定、面接(一部の学校のみ)で行われます。
日程
栃木県の2025年度県立高校入試(全日制)は、特色選抜の出願が1月30日(木)~1月31日(金)、試験が2月6日(木)~2月7日(金)にありました。
一般選抜の出願期間は、2月19日(水)~2月20日(木)の2日間。2月25日(火)~2月26日(水)に1回に限って出願変更を受け付けます。
期間 | |
---|---|
特色選抜出願 | 1月30日(木)~1月31日(金) |
特色選抜入試 | 2月6日(木)~2月7日(金) |
特色選抜合格発表 | 2月13日(木) |
一般選抜出願 | 2月19日(水)~2月20日(木) |
一般選抜出願変更 | 2月25日(火)~2月26日(水) |
一般選抜入試 | 3月6日(木) |
一般選抜合格発表 | 3月12日(水) |
一般選抜の入学試験は、北関東3県で最も遅い3月6日(木)。3月12日(水)に合格発表があり、受験生の進学先が決まることになります。
隣県からの受験
茨城県、群馬県、埼玉県、福島県からは、栃木県の隣接学区内の県立高校の受験が可能です。
具体的には、茨城県であれば古河市、結城市、筑西市などから、栃木県の下都賀学区・芳賀学区の県立高校を志望することができます。
群馬県であれば太田市、館林市などは下都賀学区・安足学区が隣接学区の扱いとなります。桐生市、みどり市などからは上都賀学区・安足学区の県立高校を受験することが可能です。
他県の公立高校との併願はできません。
出典:県外の中学校から出願する方 (1)近県の隣接学区・隣接地域内からの出願(栃木県ホームページ)
2段階選抜の群馬県
選抜方法
群馬県の公立高校入試(全日制)は、1回の全日制課程選抜で特色型と総合型の2段階選抜が行われます。
学校によって募集定員の10~50%を特色型、50~90%を総合型に割り振っています。そのため、受検者全員が5教科の学力検査と面接に臨みます。
合格者の決定は、まず受検者全員を対象に特色型または総合型の一方で行い、続いて合格者を除いた全員を対象にもう一方の型による判定が行われます。
そして、学校全体で5人以上の欠員がある場合は再募集を実施します。
群馬県の場合、公立高校は県立高校だけではありません。前橋市立前橋高校、高崎市立高崎経済大学附属高校、桐生市立商業高校、太田市立太田高校、利根沼田学校組合立利根商業高校も、県立高校と同じ選抜方法、日程で行われます。
日程
群馬県の2025年度公立高校入試(全日制)は、出願期間が2月3日(月)~2月4日(火)に設定されています。
特徴的なのが、志願先変更を最大2回まで行えるということです。志望校・学科の出願倍率を踏まえて、2月7日(金)、2月13日(木)に変更が可能です。
期間 | |
---|---|
全日制出願 | 2月3日(月)~2月4日(火) |
第1回志願先変更 | 2月7日(金) |
第2回志願先変更 | 2月13日(木) |
本検査 | 2月20日(木)~2月21日(金) |
合格発表 | 3月5日(水) |
全日制再募集 | 3月10日(月)~3月11日(火) |
検査 | 3月14日(金) |
合格発表 | 3月19日(水) |
本検査は、北関東3県で最も早い2月20日(木)~2月21日(金)。3月5日(水)の合格発表を経て、再募集の出願受け付け、検査が行われます。
隣県からの受験
栃木県、茨城県、埼玉県からは、隣接する学区・地域として指定された高校の受験が可能です。
他県の公立高校との併願はできません。
出典:令和7年度群馬県公立高等学校入学者選抜実施要項(群馬県ホームページ)
~~
隣県でありながら、茨城・栃木・群馬各県の公立高校入試の選抜方法、日程にはさまざまな違いがあることがわかります。
3県の県境周辺には進学実績や学科、スポーツなど特色のある学校もあり、「志望する高校が県内ではない」という可能性もゼロではありません。
今後、お子さんの高校受験を控えている<とりぷれ>エリアの親御さんにとっては、隣県の入試制度・実施状況も重要な情報です。あらかじめ頭に入れていくことで選択肢が広がりそうです。