創業50年、現在2代目の斎藤英和さんと妻・由希子さんが切り盛りする「そばダイニング 大むら」。茨城県境町の国道354号沿いに店を構え、大きな駐車場があるので昼食時はお客さんがたくさん訪れます。
イタリアンにすし、そば店の枠組みを超えて
先代からのメニューを一掃し、そばや定食に加えて3年前にイタリアンを修行。ピザやミラノ風カツレツなどの提供を始め、すしも出しています。
そば屋さんの枠組を超えてしまうような、メニューの豊富さに驚きです。お寿司のネタは、近くの市場や九州から仕入れています。生臭さや雑菌を抑え、イノシン酸の減少を抑えることでうまみが増す「津本式の血抜き」を実践しているところが特長です。
テイクアウトや、天ぷら・そば・すし等のメニューを組み合わせた、法要などの団体(宴会)メニューにも、対応しています。
そばは常陸秋そばを使用し、店で毎朝石臼でひいた、こだわりの粉を使用しています。定番の「もりそば」や「天ざるそば」が人気で、「生そば(つゆ付き)」はテイクアウト可能。年越しそばも販売します。
そんな「そばダイニング 大むら」で、この冬の一押しが「おっきりこみうどん」です。
利根川沿いに位置する境町は、400年前の江戸時代から舟運が盛んで、江戸への荷をさばく「さかい河岸」がにぎわいました。そこで働く人々が、油揚げや地場野菜をざくざく入れて煮込んだおっきりこみ料理があったと言われています。
そんな歴史的背景を基におっきりこみ料理を現代版にアレンジし、当時の風情を残しながら作り上げた一品が「おっきりこみうどん」です。今年1月ごろメニューに加えました。
野菜は、境産の野菜をたっぷり使用。キャベツ、大根、サツマイモ、ニンジン、サトイモ、サツマイモなど、地元の直売所や知り合いの農家から仕入れています。
癖になる歯応え
麺は、とにかくもちもちの幅広麺。つるつるのうどんは薄くて食べやすいのですが、口に入れた後の歯応えが癖になりそうです。
味付けは、かつお節と薄口しょうゆで味付けした定番の「出汁しょうゆ」と「鶏塩」の2種類に加えて、「胡麻つけ汁」「鶏塩つけ汁」「肉汁」のつけ汁うどんも展開中。若い女性に人気で、ランチにふらりと寄って食べていく方も多いそうです。
「しおちゃっぱ」で味変
備え付けの境町名産・猿島茶の茶葉とトウガラシを使用した野口徳太郎商店の「しおちゃっぱ」と一緒に食べるのがポイント。「味変」することで、さらに箸が進みます。
この「おっきりこみうどん」が食べられるのは、境町では現在、「そばダイニング 大むら」のみですが、今後は地元の名物にしたいと、町内のほかの飲食店でも提供することを検討しています。
17年前にリフォームしたという店内は、料亭のようなゆったりくつろぐことができ、つい長居してしまいます。皆さまもこの冬は「そばダイニング 大むら」で、元祖「おっきりこみうどん」を味わってみてはいかがでしょうか。
住所:茨城県境町染谷643
営業時間:午前11時~午後2時/午後5時~同8時(火曜定休)
電話番号: 0280-86-5454
インスタグラム:https://www.instagram.com/sobadining