茨城県桜川市大国玉の、JR水戸線大和駅に近い大池で、ハクチョウが越冬しています。茨城とりぷれエリアでは貴重な越冬地になります。

ガンカモ類の越冬地になっている大池=桜川市大国玉
大池は大和駅の西側に位置する農業用ため池です。秋冬にガンカモ類が飛来し、オオハクチョウも越冬するようになりました。
取材日は2025年12月19日(金)午後で、その時点でオオハクチョウは池の南側に8羽いました。
固まって泳いだり羽づくろいしたりしています。

オオハクチョウのグループ=桜川市大国玉
この日は比較的暖かく、ハクチョウたちはおなかも空いていなかったのか眠そうでした。

休憩中?のハクチョウ
時折水に潜って活発に餌を探します。何となくユーモラスですし、水面に開いた白い花のようでもあります。

頭から潜って餌を探すハクチョウ。何となくユーモラスです=桜川市大国玉
観察していると、結構近くに寄ってきてくれます。

オオハクチョウはコハクチョウより一回り大きく、くちばしの黄色の部分も大きい
大池の北側をJR水戸線が通っていて、列車の通過音が響きますが、ハクチョウたちはあまり気にしていないようです。
水面を滑るように、優雅に泳いでいるのを眺めていると、サン=サーンスの「白鳥」が頭の中に流れてきます。

大池の北側をJR水戸線が通ります
昨シーズンは、桜川市友部の桝箕ケ池で撮影しました。毎年飛来してきて越冬していたのですが、今シーズンは2度取材に行ったものの、2度とも見ることができませんでした。
この日、大池のほとりで望遠レンズで撮影していた男性によりますと、オオハクチョウは朝40羽くらいいて、グループごとにどこかに飛んでいき、また戻ってきたりしているそうです。日中の大半を大池で過ごすのは10羽くらいということです。
1時間半ほどハクチョウに張り付いてみましたが、水に浮かぶばかりで羽を広げることもありません。諦めて車で帰り始めると、正面、東の方角からハクチョウの群れが飛んできました。30羽くらいいるでしょうか。先頭を頂点に二等辺三角形のかっこいい編隊飛行です。
慌ててUターンし、ハクチョウたちを追いかけて大池のほとりに戻りましたが、残念ながら一足遅く、着水シーンは撮れませんでした。先ほど話をしてくれた男性も機材を片付けた直後で、撮影に失敗したそうです。
「まあ、こんなものですよ」と笑い合い、慰め合います。ハクチョウは一気に40羽近くに増え、池は「コ―、コー」と急ににぎやかになりました。

飛来してきたハクチョウの群れ=桜川市大国玉
黒、グレーがかった羽色のものは幼鳥、若鳥です。

グレーがかった羽色は幼鳥、若鳥です=桜川市大国玉
オオハクチョウのほかにカモ類も多数見られます。

カルガモ(左上)、オオバン(右上)、ヒドリガモ(右下)、オナガガモ(左下)=桜川市大国玉
池のほとりから加波山が望めます。

大池のほとりから望む加波山
大池では3月ごろまで観察できます。周辺に駐車場やトイレはありません。釣りもできませんので留意してください。

大池のほとりに立つ看板
今季中にいい写真が撮れたら改めてリポートします。
