茨城県古河市小堤の寶林山円満寺は、気軽に寺に親しんでもらおうと、多彩な催しを展開しています。2023年7月からスタートさせた「やさしいお寺講座」には、写経やヨガなどのプログラムが盛り込まれています。今回はその一つ「やさしい体操会(プチ瞑想付き)」を体験しました。
やさしいけれど効果を実感
この日は、筆者を含めて5人が参加しました。手書きの名札を胸に付けて午前10時に開講。まずは、ストレッチをしながら一人ひとり簡単な自己紹介です。この夏に挑戦したいことや参加のきっかけ、趣味、さらに腸活まで話題は多岐にわたります。
「自分のことを話す機会はあまりないですよね。参加者同士、思わぬ共通項が見つかることがよくあるんですよ」と声をかける「YASUKO」こと小島靖子さん(37)は、古河市内在住。子どもと利用していた子育て支援センターの母親向けのサークルでラジオ体操の指導に携わっていました。
その後も、ママ友たちから「またやってほしい」と要望されました。そこで自宅に近い円満寺に協力を求め、体操会を始める運びになりました。
もともと体を動かすことが好きで、大学時代に取り組んだチアリーディングの要素とパーソナルトレーナーをしている先輩からの教えなどを参考に、指導に当たっています。「私自身、特に運動を極めているわけではないんです。参加人数や雰囲気に合わせてゆる~くやっています」と、小島さんは笑顔で説明してくれます。
自己紹介が終わると、床に横になり腹式呼吸の練習です。小島さんは「布団の中でごろごろしていると思って、おなかに手を当てて大きく息を吸って吐いてください。日常の中で慌ただしくなった時、このおなかの動きを意識して呼吸するとリラックスできますよ」とアドバイスします。
その後は股関節やアキレス腱、首、肩などのストレッチ、そしてラジオ体操、簡単な筋トレと続きます。およそ1時間、終始和やかな雰囲気で終了です。しっかり体が伸び、全身に酸素が行きわたっていることが実感できました。暑くて体を動かす機会が減っている中、とても良い時間でした。凝り固まっていた体もほぐれて気分もすっきりしました。
「数息観」を初体験
体操の後は、本堂に場所を変えて瞑想です。ここからは同寺の星野龍彦副住職(35)の指導の下、静かに自分の息を数える「数息観」を体験しました。「心と体と息を整えて、感情をコントロールします。今回は特に息に意識を向けてください」と星野副住職。
手の組み方や重心の乗せ方などを教えてもらって座禅を組み、「塗香」という粉末状のお香を胸の前で両手にすり込んで、心身を清めます。そして10分間、吸って吐いてを1セットとして10回数えることを繰り返します。
途中10回以上数えてしまったり、仕事のことが頭にちらついたりしましたが、自分の息に集中している時は、そうした雑念が頭から離れているようでした。
終わって星野副住職にそのことを伝えると、「余計なことを無理に考えないようにする必要はありません。息を数える時は忘れているのですから、それでいいんです」と教えてくれました。
副住職自身も父親になり忙しい日々を送る中、講座の参加者と一緒に行う瞑想は、自分を見つめ直す時間につながっているそうです。
今回初めて参加したという、市内在住の60代の女性は「お寺で行う講座ということで興味があった。体操会では普段しない動きができた。また参加したい」と笑顔で話していました。
やさしいお寺講座のスケジュールです。
奇数月 第3日曜 午後3~4時半
偶数月 第2火曜 午前10~11時半(8月はお盆のため6日に開催)
参加費500円(②回目以降は300円) 定員20人 手ぶら参加OK
■やさしいお寺ヨガ
毎月第2・4木曜 午前10~11時(8月は8日・22日)
参加費1000円 定員15人 ヨガマット持参(5人まで無料貸し出しあり) ■やさしい体操会(プチ瞑想付き)
毎月第3水曜 午前10~11時半(8月は21日)
参加費300円 定員10人 子ども参加無料
※申し込み方法や詳細は同寺のホームページやインスタグラムで確認
7月28日に子どもまつり
7月28日(日)午後3時から7時まで、古河市のボランティア団体「コトタノ」と協力して円満寺で子どもまつりが開かれます。雨天決行。
水鉄砲や縁日などの遊び体験、和太鼓演奏、駄菓子屋やキッチンカーの出店のほか、風鈴やうちわ作り、写経、写仏の塗り絵などのワークショップ、子ども服の譲渡会など盛りだくさんの内容になっています。星野副住職は「日本の文化風習を子どもたちに体験してほしい」と来場を呼び掛けています。
所在地:茨城県古河市小堤1405
電話番号:0280-98-3710
ホームページ:https://enmanji-koga.jp
インスタグラム:https://www.instagram.com/enmanji_koga/