茨城県古河市中央町で、明治時代から140年近くにわたり親しまれてきた老舗料亭「和田家」。2026年2月に発生した火災という困難を乗り越え、現在、年内の新店舗オープンに向けて着実に歩みを進めています。
地域の皆さんに愛され続ける名店の「いま」と「これから」をお伝えします。
■地域の声に支えられ、仮設テントで営業再開
火災から半年が経過した7月、和田家の敷地内には仮設のテントが登場しました。6代目店主の大和田晶吾さん(47)が自らガスや水道を引き込み、作り上げた特設の厨房です。
ここでは現在、予約制で持ち帰り用「うな重」の販売を行っています。保健所の許可も得てスタートしたこの試みには、再開を待ちわびていたファンから1日に50食以上の注文が寄せられることもあるそうです。
■守り抜いた伝統の味と、新たな一歩
1887年(明治20年)の創業以来、ウナギ料理を中心に歴史を刻んできた和田家。2月の火災では、店舗の一部やシンボルだった「長屋門」を失うという大きな被害を受けました。

ショックが大きい中で晶吾さんの背中を押したのは、常連客や地域住民からの温かい励ましでした。「このまま終わらせるわけにはいかない」と、晶吾さんは大工仕事にも加わりながら、焼け残った座敷の改修や再建準備に奔走してきました。
■年内の開店を目指し、新店舗の建設もスタート
今月からは、いよいよ新店舗の建設が始まります。新しいお店は木造2階建てで、食堂からは四季折々の花が咲く中庭を眺められるような、開放的な造りになる予定です。
長屋門の再建は断念したものの、火災を免れた「和田家」の看板が、再び新しい店先に掲げられることになっています。

仮設テントでウナギを焼く6代目店主の大和田晶吾さん=古河市中央町
5代目の父・五郎さん(79)と晶吾さんは、「お待ちいただいているお客さまの思いに応えたい」と、老舗の復活に向けて決意を新たにしています。
古河の街に再び香ばしいウナギの香りと、お客さまの笑顔が戻ってくる日が待ち遠しいですね。
