茨城県筑西市上野の「五郎助山」は、昔ながらの里山として再現され、豊かな自然と触れ合うことができます。ターザンロープやハンモックといったアスレチック遊具が整備された雑木林、ザリガニなど水辺の生き物が生息するトンボ池など、子どもたちが思いっきり遊べる環境が整っています。
8月上旬に五郎助山を訪ねました。午前8時半に駐車場に到着。車から下りると木立の中だからでしょうか、心地良い涼風を感じました。駐車場から林の方へ歩いていきます。
鳥のさえずりや水田の緑…交通量の多い県道から少し入ったところにこんなに静かな場所があるとは知りませんでした。
駐車場から5分ほど歩き、五郎助山の看板の前へ。この日は、市内の小学生を対象にした一泊二日の里山サマーキャンプが予定されていて、五郎助山を整備する「NPO法人里山を守る会」の皆さんが準備にいそしんでいました。
里山を守る会は、テレビゲームに夢中になり外で遊ぶ機会が減った子どもたちに自然の中でさまざまな体験をしてほしいと、2000年に発足しました。当時ゴミ置き場と化していた五郎助山をかつての里山に戻し子どもたちの遊び場にしようと、再生に乗り出し保全に努めています。
現在会員数は80人ほどで、月に一度の里山整備のほか趣向を凝らしたイベントを企画して、自然に親しむ機会を提供しています。たくさんの人に五郎助山を活用してほしいと願う、3代目理事長の竹沢寛さんは、「最初は自然に対しておっかなびっくりだった子どもも、里山で過ごすことで慣れていきます。そうした変化に無限の可能性を感じますね」と、ここで過ごす子どもたちの成長に目を細めます。
この日キャンプに参加したのは児童28人。今の時期はカブトムシやザリガニ捕りを楽しむことができ、五郎助山に着くなり虫かごや網を手に駆け出す姿が見られました。
午前9時にサマーキャンプ入所式を終え、五郎助山の神様にあいさつします。「山には昔から神様がいます。五郎助山にもいます。里山五郎助の神様にキャンプの安全をお願いしましょう」という竹沢さんの声に続いて児童らも祈願しました。
五郎助山のモットーは「自分の責任で自由に遊ぶ」。里山への出入りは自由です。
8月21日に「桜川探検隊」、9月1日に「わんぱく自然塾」が予定されています。
1日1組のキャンプ場利用も受け付けています。5人以下なら1泊5000円からとなっています(申し込みはホームページから)。
この夏、里山の五郎助山を訪ねてみませんか。