「ヤクルト本社茨城工場見学〈上〉」の続きです。
ヤクルトが取り組む環境保全活動や腸内環境について学んだ後は、いよいよヤクルトの製造工場の見学です。
本来ならここからは撮影禁止ですが、今回は取材ということで一部撮影許可をいただきました。
「Y1000」とヤクルト原料液
ヤクルトの乳製品工場は、全国に11カ所(本社工場5カ所、ボトリング工場6カ所)あります。茨城の本社工場では、1ミリリットル当たり10億個の乳酸菌シロタ株を含む乳酸菌飲料「Y1000」と、ヤクルトの原料液を主に製造しています。
見学通路のスタート付近には、ヤクルトの豆知識が紹介されていました。
ここで一つ、ヤクルトの名前の由来について。エスペラント語(世界共通語として考案された言語)でヨーグルトを意味する「ヤフルト」という言葉を言い換えてつくられたのが「ヤクルト」ということです。このほかヤクルトの容器の形などについても触れられていました。
いよいよ作業場の見学です。容器を成形し、それにヤクルトを充填して包装する製造ラインを見学しました。
工場では、1時間に約6000本の「Y1000」の容器が作られ、約3万本に充填されていきます。速く流れるラインに「ジェットコースターみたい」と児童から歓声が上がるほどでした。充填されたらアルミキャップですぐにふたをします。最後は容器の破損や液漏れがないか人の目で確認しているそうです。ちなみにこの日は、56万3000本の「Y1000」が製造される予定という表示がありました。
次にヤクルトの原料液の作り方の説明を受けます。
ヤクルトの主な原料は、乳酸菌シロタ株、粉ミルク、シロップの3つです。大きなタンクの中で、仕込みから調合、培養まで行います。タンクは完全密閉で二重構造になっており、材質の良いステンレスを使用しているそうです。
一番大きなタンクは、高さ約5メートル、直径約3メートルあります。このタンクに入ったヤクルトを飲み干すためには、1日1本飲んだ計算で何と2000年以上かかるそうです。
手術室と同じくらいクリーンな環境で
ヤクルトは、病院の手術室と同じくらいクリーンな環境を維持しながら製造されています。
各工程に異物除去装置が設置されるほか、理化学検査や微生物検査など、実に150項目以上の製品検査を実施。官能検査は、味やにおい、見た目など検査員の感覚器官で製品の特性を評価し、異常の有無を判断します。検査員は、年に一度の試験に合格しなければいけません。
毎日飲んでいる小さな容器に入ったヤクルトは、徹底した衛生管理と品質管理の上に成り立っているのだと改めて感じました。
約1時間で見学ツアーは終了。おみやげにラーメンとオープナーを頂きました。
ヤクルト工場のおみやげにラーメンが出てきたのにはびっくりしましたが、独自の製法で仕上げた麺は見た目と食感にこだわっているそうです。家に帰って食べるのが楽しみです。ラーメンは「道の駅ごか」(茨城県五霞町ごかみらい13-3)でも購入できます。
参加した3年生の児童は「ヤクルトを作る機械が見られて楽しかった。全部すごかった」と笑顔で感想を話していました。
工場を案内してくれたスタッフの土谷さんは、「徹底した衛生管理の下で製造しておりますので、自信を持って皆さまにヤクルトをお届けすることができます」と胸を張ります。
工場見学は月曜~土曜開催で、完全予約制です。希望者は、希望日の60日前から前日の午後1時までにインターネット(https://www.yakult.co.jp/visit/factory/c02.html)または電話で(0280-84-2121)申し込みを。
所在地:茨城県猿島郡五霞町大字川妻1232-2
電話:0280-84-2121
ホームページ:https://www.yakult.co.jp/visit/factory/c02.html