紅葉の筑波山に登る〈下〉 パノラマ広がる女体山頂はやっぱり渋滞 御幸ケ原で昼ご飯を食べ、坊主山を通って下山



坊主山の山頂付近(左)、女体山の山頂(右上)、女体山山頂下の行列(右下) 地域別
坊主山の山頂付近(左)、女体山の山頂(右上)、女体山山頂下の行列(右下)

とりぷれライターの小波来こなみきさんと2025年11月15日(土)に登った、紅葉の筑波の続きです。

男体山(標高871メートル)を下りて、ケーブルカーの筑波山頂駅や売店・食堂などがある御幸みゆきケ原へ。お昼前ということもあり、数多くの老若男女でにぎわっています。

「山頂連絡路」から女体山に向かいます

「山頂連絡路」から女体山に向かいます

🏔山頂連絡路

「薬王院コース」は終わり、御幸ケ原から「山頂連絡路」を通って女体山(標高877メートル)を目指します。岩場もありますが整備されたコースで、距離約550メートル、所要時間約15分になります。ケーブルカーやロープウエーで来て、カジュアルな格好で歩いている人も少なくなく、ペット連れの人もいます。

「かたくりの里」の看板と紅葉

「かたくりの里」の看板と紅葉

右手にカタクリの群生地があり、「かたくりの里」として保全されています。カタクリは毎年4月ごろに花が開きます。現在、周辺には紅葉が広がっています。

広がる紅葉

広がる紅葉

左手に人だかりが見えてきました。パワースポットと言われる奇岩「ガマ石」です。ガマに似た形をしていて、その口に石を投げて入ると金運が向上し、願いもかなうとされます。

野球少年だった頃からコントロールが悪いので、ガマ石は素通りして歩を進めると、女体山頂下に到着しました。ガマ石どころではない、かなりの人が並んでいます。

筑波山(女体山)頂への行列

筑波山(女体山)頂への行列

🏔近くて遠い女体山頂

目と鼻の先にあっても遠いのが女体山頂です。今年のゴールデンウイークに別のコースで登山した時は、人気テーマパークのアトラクションか、超人気ラーメン店をほうふつさせる人の多さに、山頂行きを断念しました。今回はその時ほどではなく、素直に行列の最後尾に付きます。

新緑の筑波山に登ろう!〈下〉 大型連休中の登山道は人で大渋滞 通常20分のコースが90分超

すると、並ばずに山頂付近へ行った外国人女性を登山客が注意して言い合いになる場面に遭遇しました。これは登山客が全面的に正しいと思います。ルール、マナーを守りたいものです。

30分ほどかかって筑波山神社の社にたどり着き、男体山登頂時と同じようにお参りします。

女体山の筑波山神社

女体山の筑波山神社

社の向こう側が筑波山の最高地点。絶景がパノラマで広がります。

筑波山(女体山)の山頂付近に立つ登山客ら

筑波山(女体山)の山頂付近に立つ登山客ら

筑波山(女体山)の山頂からの眺望

筑波山(女体山)の山頂からの眺望

SNSで映えるスポットでもあります。筆者は高い場所とあまり相性がよろしくないので、そそくさと写真を撮って、後ろの人に譲ります。混雑時のお手本のような振る舞いです。

ルールを守り、マナーを向上させたいものです

ルールを守り、マナーを向上させたいものです

女体山から御幸ケ原へとんぼ返りし、昼食休憩します。時刻は午後零時18分。空いていた木製ベンチに腰掛け、持参したパンやおにぎりを頬張ります。

御幸ケ原から望む、紅葉の筑波山(男体山)

御幸ケ原から望む、紅葉の筑波山(男体山)

御幸ケ原には携帯バーナーが使用できる「筑波山バーナーエリア」が開設されています。ところが間抜けなことに今回、携帯バーナーやコーヒー豆などを忘れてしまいました。痛恨の極みです。温かいものが注文できる食堂も数軒営業していますが、昼食時であいにく満席です。仕方ありません。

御幸ケ原から桜川市方面を望みます

御幸ケ原から桜川市方面を望みます

おなかを満たし、水分も十分に摂取。そして御幸ケ原からの眺めを堪能して、午後零時50分、下山を始めます。

🏔第3のピークへ

筑波山自然研究路の、登山時に通らなかった所を歩いて、鬼ケ作林道(林道鬼ケ作線)に向かいます。途中、坊主山直下で右折してコースを変え、筑波山第3のピークである坊主山山頂(標高709メートル)へ登っていきます。

茨城県の県央や県南地域で暮らしていると意識することはほとんどありませんが、桜川市真壁町の県道つくば益子線沿いからは、3つのピークが目立つ筑波山を望むことができます。

桜川市真壁町古城の真壁城址から望む筑波山。右端のピークが坊主山です(とりぷれライターの小波来さん撮影)

桜川市真壁町古城の真壁城址から望む筑波山。右端のピークが坊主山です(とりぷれライターの小波来さん撮影)

一般的な登山(下山)コースからは外れるので、小波来さんにスマートフォンでアプリを確認してもらいながら進むと、すぐに山頂に着きました。樹木が茂っていて景色は見えません。周囲ではミヤマシキミが、冬も残るという実を赤く色付けています。

赤い実をつけたミヤマシキミ。葉は有毒です

赤い実をつけたミヤマシキミ。葉は有毒です

大きな石に「坊主山709」と書かれていて、この付近が山頂であることを唯一示しています。

坊主山の山頂付近。石に「坊主山709」と書かれています

坊主山の山頂付近。石に「坊主山709」と書かれています

男性登山客が一人、休憩していました。この日はここが目的地で、女体山や男体山には登らないそうです。通っぽい感じがします。

男性と分かれ、いかにも山慣れしていそうな男性、女性と擦れ違いながら順調に下ります。紅葉した山を眺めることができるスポットが途中にあり、カメラのシャッターを切ります。

紅葉が広がる山並み

紅葉が広がる山並み

午後1時50分に鬼ケ作林道に出ます。ここからは林道を歩き、途中から再び「薬王院コース」に入って、午後2時20分に登山のスタート場所、薬王院の駐車場に戻りました。

鬼ケ作林道にあった標識

鬼ケ作林道にあった標識

薬王院(椎尾薬師)の本堂。奥は三重塔=桜川市真壁町椎尾、2024年11月撮影

薬王院(椎尾薬師)の本堂。本尊は薬師如来です=桜川市真壁町椎尾、2024年11月撮影

およそ5時間、総距離約7.5キロメートル、総歩数約2万歩、爽快な山旅でした。

11月から12月初旬はゴールでウイークに続いて入山者が増えます。ルール、マナーを守って紅葉の筑波山を楽しみましょう。

桜川市ハイキングマップより

桜川市ハイキングマップより


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