茨城県八千代町の「とうふやたかはし」は、国産豆腐の直販と豆腐カフェを営むお店です。創業は1958年。現在3代目の店主・高橋真弘さん(41)と光さん(28)夫妻が、豆腐の可能性を広げようとさまざまなチャレンジをしています。
「とうふやたかはし」は、国産在来種の大豆にこだわっています。真弘さんによれば、国産在来種の大豆とは、何代にもわたってその土地で栽培されてきた大豆のことで、約300種あります。
真弘さんは、各地のものを味わってほしいという思いから、使用する大豆を1種類に限定せずほぼ毎月種類を変えています。常連客からは「今回の大豆はおいしかった」などと感想をもらうこともあるそうです。
この日は、長野県の在来種大豆「こうじいらず」を使った「なめらかとうふ」と、茨城県桜川市で栽培された大豆を使用した「さしみゆば」を試食させていただきました。
どちらも大豆のうま味が凝縮された濃厚な味わいで、甘みがあり何も付けなくても十分おいしくいただけます。豆腐が苦手でもここのものなら食べられるというお子さんがいるというのも納得です。
「とうふやたかはし」は、水戸農業高校が授業の一環として取り組む「大豆100粒運動」に協力しており、生徒と一緒に育てた、茨城県常陸大宮市(旧金砂郷町)の在来青大豆「青御前」を使った豆腐が間もなく登場するそうなので、楽しみです。
豆腐の価値、高めたい
「物価が高騰する中、逆に豆腐の値段は下がっています。おいしい豆腐を届けることで、その価値を高めたい」と真弘さんは力を込めます。
祖父の代の豆腐店はどこも活気がありました。しかし父の代になるとスーパーへの卸売りが主流になり、まちの豆腐店が厳しくなっていきました。真弘さんはこのままでは成り立たなくなると危機感を募らせ、家業を継ぐことを決めました。
他店の味を知ろうと全国各地に出向き、製造方法を見学したり手ほどきを受けたりと努力を重ねました。現在は豆腐店同士のつながりを大切にし、業界全体を盛り上げようと奮闘しています。
おからドーナツが2年連続グランプリ
3年前に、妻の光さんが中心となって豆腐カフェをオープンさせました。洋菓子店でパティシエとして働いていた光さんは、結婚を機に豆腐の知識を身に付けようと豆腐マイスターの資格を取得。そして、豆腐を製造する際に出るおからを使ったスイーツを思い立ちました。
豆乳やおからを使用したスイーツには、動物性の食材が入っていません。アレルギー体質のお子さんを持つお母さんからは「どれを選んでもいいよと言えるのがうれしい」と感謝されることがあり、そうした声を聞くことが喜びだという光さんは「アレルギーのある方にもない方にもおいしく食べていただきたい」と笑顔で話します。
一般財団法人日本豆腐マイスター協会が主催する「全日本おからドーナツ選手権」に出品したおからドーナツが、2023年、24年と2年連続グランプリを獲得しました。試食させていただくと、おから特有のパサつき感がなくしっとりした食感で、後を引くおいしさでした。素朴なやさしい味わいで、贈り物にも喜ばれそうです。
ランチタイムは、おからや湯葉が味わえる湯どうふ定食や、熟成がんも丼、そば粉のガレットなどが味わえるので、ぜひ食べに行こうと思います。
5月25日に3周年アニバーサリーイベント
豆腐カフェの3周年を記念して5月25日(土)10時から16時まで、アニバーサリーイベントを開催します。大人限定先着100人にソイドレッシングのプレゼント、小学生以上が対象のドーナツ早食い大会、揚げたてドーナツが食べられる体験会、さらにマルシェ、野外ライブなど盛りだくさんの内容です。雨天決行、荒天中止。詳細はインスタグラムでご確認ください。
所在地:茨城県結城郡八千代町芦ケ谷654-1
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜・木曜
電話番号:090-3038-1958
インスタグラム: https://www.instagram.com/tofuya_takahashi/