JR結城駅北口から徒歩5分と好立地の場所にある「くぼた食堂」(茨城県結城市結城)。看板メニューは焼きそばで、一般的な焼きそばとは少し違うということを知人から聞き、期待して訪問しました。
平日の午前11時過ぎ、開店直後の店内には早くも4人の先客がいました。席数は10。2人が着座し、もう2人は持ち帰り用の商品を待っているようです。
壁の品書きには「焼きそば」の表記。店の奥から現れた店主に「持ち帰り用ですか?」と尋ねられたので、「お店で食べます」と答えて席に座りました。
待つこと3分。焼きそば(580円)が白い皿に盛られて運ばれてきました。そしてびっくり。焼きそばの上にモツが「鎮座」しています。大量です。
並サイズを頼んだのですが、全体のボリュームは十分過ぎるほどです。短めの中太麺はソースとよく絡み合っています。
ソースは少し酸味があり、濃厚かつしっかりした味付けで、臭みがなく柔らかな歯応えのモツと相性抜群、箸が進みます。具はキャベツ一択です。
途中、七味唐辛子をかけて味の変化を楽しみました。モツに七味。合わないはずがありません。
焼きそばが運ばれてきた時は食べきれるか心配でしたが、ものの5分で完食。家族にも食べさせたいと思い、持ち帰り用(並600円)を追加注文しました。
店内では、焼きそば並(580円)、大(630円)、もつ煮単品(630円)、もつ煮定食(850円)、焼きそば定食(800円)、半焼きそば定食(750円)など6種類を提供しています。
持ち帰りは焼きそば並(600円)と大(650円)、モツ煮単品(700円)=いずれも包装紙・容器代込み=の3種類。シンプルな構成です。
8割がテイクアウト
筆者が夢中で食べている間も、途切れることなくお客さんが入ってきます。栃木県小山市から買いに来たと言う女性は「味がしっかりしている。(自宅からは)ちょっと遠いけれど、すぐに食べたくなる」と笑顔で話してくれました。お客さんの8割ほどが持ち帰りで、土曜日は行列ができることも珍しくないそうです。
「取材はNGだけど、好きに書いていいですよ」と笑顔で対応してくださった店主の窪田さんは、創業約80年の店の3代目。妻の実家に婿養子に入り、そこが食堂を営んでいたことから20年ほど前に公務員から転身したという異色の経歴です。
先代が店を切り盛りしていたころは、複数のメニューを提供していましたが、現在は焼きそばとモツ煮のみ。ちなみにモツは、代々伝わる秘伝のたれで煮込んでいます。
窪田さんは「じいさんが辞め、ばあさんが辞め、今は一人。(店に入ってから)20年、皆さんのおかげで何とかここまでやってこれました」と、感謝の言葉を口にしていました。
たくさんの常連客に愛される「くぼた食堂」の焼きそばには、おいしさとともに店の歴史が詰まっていました。
所在地:茨城県結城市結城530-11 ※駐車場あり
時間:午前11時~午後4時半
定休日:日曜日