古河で企画展「雪華の刀装 土井利位の愛刀と工人たち」愛用の刀剣・刀装具を展示 5月6日まで古河歴史博物館



企画展「雪華の刀装 土井利位の愛刀と工人たち」のチラシ 古河市
企画展「雪華の刀装 土井利位の愛刀と工人たち」のチラシ

江戸後期の1832(天保3)年に日本で初めて雪の結晶を観察した図鑑雪華図説せっかずせつを著し、「雪の殿様」として知られる古河藩主・土井利位としつら(1789~1848年)愛用の刀剣や刀装具を展示する企画展「雪華の刀装 土井利位の愛刀と工人たち」が、茨城県古河市中央町の古河歴史博物館で開かれています。

「雪の殿さま」土井利位の肖像画

「雪の殿さま」土井利位の肖像画

当代一流の名工の技術を集めて雪華ゆきはなの模様を施した刀や刀装具の一式が博物館の所蔵品として展示されるのは初めてです。会期は5月6日まで。

展示の目玉は大小の刀一式です。利位が江戸幕府の老中を務めていた1841年に作らせたものです。

雪華の模様が施された刀や刀装具=古河市中央町

雪華の模様が施された刀や刀装具=古河市中央町

当時、全国の大名家から注文が殺到したという人気の刀工、固山宗次をはじめ、京都の金工、後藤一乗や後藤真乗、彫金師の浜野政信、鉄砲鍛冶で発明家の国友一貫斎ら、そうそうたる職人が制作に関わりました。

刀を収めるさやつば柄頭つががしらといった刀装具には、繊細な雪の結晶模様が彼らの手で精巧に表現されています。

雪華模様が施された鐔や小柄=古河市中央町

雪華模様が施された鐔や小柄=古河市中央町

古河歴史博物館の永用俊彦学芸員は「利位は雪華模様を工芸品などに取り込んで流行を生み出し、自身や古河藩の存在感を高めることにも成功した。ただ利位が直接手がけた品々のほとんどは戦争や震災などで失われた。刀と刀装具の一式がそろって残っているのは奇跡に近い」と話します。

刀一式は国内の愛好家が所有していました。市は愛好家が亡くなった後も遺族と交渉を続け、2024年3月に購入できたということです。

企画展「雪華の刀装 土井利位の愛刀と工人たち」のチラシ

企画展「雪華の刀装 土井利位の愛刀と工人たち」のチラシ

永用学芸員は「当時集め得る職人のコラボで生まれた名品。利位や古河藩の人脈や交渉法などを知る上でも貴重」としています。

古河歴史博物館外観=古河市中央町

古河歴史博物館外観=古河市中央町

同展では制作に携わった名工たちの作品も紹介しています。

企画展「雪華の刀装 土井利位の愛刀と工人たち」
会場:
古河歴史博物館(茨城県古河市中央町3-10-56)
会期:5月6日(火)まで※4月24、25日、28日、30日休館
開館時間:午前9時~午後5時(最終入館午後4時半)
入館料:一般 400円(団体20名以上 300円)、小中高生 100円
電話:0280-22-5211
ホームページ:https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/soshiki/rekihaku/tenjiannnai/sekkanotoso.html

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