桜の花びら舞う、4月の晴れた土曜に茨城県結城市を訪れ、結城名物の「ゆでまんじゅう」を食べ歩き、食べ比べてみました。その続きになります。
結城名物「ゆでまんじゅう」 和菓子6店を回り食べ比べてみた〈上〉 衝撃の事実に…
※結城市公式ホームページのゆでまんじゅう食べ歩きマップはこちら。
富士峰菓子舗から駅前通りに戻り、結城駅方面に向けて少し歩くと「健田通り」に出ます。ゆでまんじゅうは健田須賀神社の夏の大祭に供えるために作られたとも言われているので、そこを素通りするわけにはいきません。

「ゆでまんじゅう」誕生に関係した? 健田須賀神社=結城市結城
心を込めてお参りします。ここには以前、とりぷれの取材で何度かおじゃましています。
以前食べたのは 山田屋?
参拝を終え、健田須賀神社から稲荷通りに入ると間もなく、道路の右側に和菓子屋さんが見えてきます。4カ所目の目的地、「和菓子処 山田屋」です。

「和菓子処 山田屋」の外観=結城市白銀町
ゆでまんじゅうはショーケースの向かって左側に並んでいます。ショーケースの上に認定証が立てかけてあります。「結城菓子商工組合」のゆでまんじゅうは市が認定する「結城ブランド」の一つです。

「ゆでまんじゅう」は結城ブランドに認定されています
ご主人から2個買い求めて店を出ます。1個110円(税込み)大福に近い見た目で、皮と粒あんのバランスが絶妙です。
個別に撮影するのを忘れておいしく食べてしまったため、結城市商工観光課にお借りした写真を2枚紹介します。

「和菓子処 山田屋」のゆでまんじゅう(結城市商工観光課提供)

「和菓子処 山田屋」のゆでまんじゅう。筆者が初めて食べたのがこれかも
いただいた物で記憶にはありませんが、9年前に初めて食べたゆでまんじゅうは、もしかするとここのものだったような気もします。
稲荷通りを南に真っ直ぐ行くと、右手に神社があります。「雪光稲荷神社」とあります。なるほど、稲荷通りという名称はここから来ているのですね。立ち寄り、二礼二拍手一礼します。

通りかかった「雪光稲荷神社」にお参りしました
虎月で2度目、衝撃の事実
通りを引き続き南下します。JR水戸線の踏切を渡り、旧国道50号を横切って、右手に県立結城二高を見ながら少し進むと、右側に「虎月」が見えてきます。ここが5カ所目の目的地になります。

「虎口」の外観。「ゆでまんじゅう」は事前注文になりますので注意=結城市結城
ところが、入店してショーケースを眺めると、ゆでまんじゅうらしきものが見当たりません。嫌な予感がします。「ゆでまんじゅうは売り切れですか」とおかみさんに訪ねると、残念ながら今は注文がないと作らないのだそうです。この日2度目の「衝撃の事実」。いや、単に筆者のリサーチが不足していただけです。
前日までに予約すれば、作ってくれるそうです。1個120円(税込み)で10個以上からということです

「虎月」のゆでまんじゅう。残念ながら食レポはできませんが、皮が薄めであんこたっぷりといった見た目です(結城市商工観光課提供)
ということで、「前の日に予約しておけば」と悔やみましたが後の祭り。虎月のそれは、「幻のゆでまんじゅう」になってしまいました。いずれリベンジしなければなりません。
しかしながら手ぶらで帰るのもつまらないと思い、端午の節句(こどもの日)が近づいていることを踏まえて柏餅と、おかみさんお勧めの「ゆずまんじゅう」を1個ずつ購入します。ゆでまんじゅうを食べ続ける間の「箸休め」にはならないかもしれませんが。

「虎月」の柏餅(左)とゆずまんじゅう
柏餅は安定の味。ゆずまんじゅうはユズの皮が白あんに練り込まれていて、香り豊かです。
気を取り直して元来た道を戻り、旧国道50号を左折します。
季節限定も楽しい、永田屋菓子舗
1キロメートルちょっと歩くと、6カ所目、最後の目的地、「永田屋菓子舗」です。外観はまちの和菓子屋さんといった感じですが、中に入ると洋菓子屋さんっぽい雰囲気も漂います。

「永田屋菓子舗」の外観=結城市結城
おかみさんいわく、正確な創業年は分からないけれど「祖父の祖父の代」から。ゆでまんじゅうをかつてのようにゆでないのは「蒸す技術が向上したから」ということです。
ゆでまんじゅうは2種類。通年販売のものと、桜の季節限定の「Sakura(さくら)」です。

「永田屋菓子舗」のゆでまんじゅう。こちらは通年販売
通年販売のものは1個110円(税別)、「菓子処 真盛堂」と「和菓子処 山田屋」の中間のような見た目です。皮はつるつるもっちり。中の粒あんとのバランスも良好です。夏は冷蔵庫で冷やして食べてもおいしいそうです。

「永田屋菓子舗」で通年販売しているゆでまんじゅう(結城市商工観光課提供)
「Sakura(さくら)」は180円(税別)、塩漬けの桜が皮にも中の白あんにも練り込まれていて、春の息吹が感じられる味でした。残念ながら4月中旬までの期間限定販売のため、もう取り扱っていません。

季節限定販売、桜あん入りの「Sakura(さくら)」
代わりに、地元筑西産のカボチャを使ったものを秋に販売する予定で、さらに冬にはサツマイモ味を出すことも検討しているとのことです。
永田屋菓子舗から1キロほど歩いて、JR水戸線結城駅の南口へ戻りました。時に行儀悪く歩きながら、時にベンチに腰掛けて、ゆでまんじゅうをほおばり、時に神社にお参りして、およそ4.7キロメートル、2時間半の食べ歩き、町歩きでした。

ゆでまんじゅう食べ歩き・食べ比べのゴールになったJR水戸線結城駅南口=結城市結城

今回いただいたゆでまんじゅう。左から真盛堂、なか川、富士峰、山田屋、永田屋です
同じ「ゆでまんじゅう」でも店ごとに個性があり、味も違います。食べ切れなければ冷凍保存もできますので、ぜひ食べ歩き、食べ比べしてみてください。6店同時に回るなら、定休日が重ならない火、金、土、日曜に。虎月には前日までに電話をして注文を。
所在地:茨城県結城市結城386
定休日:月曜
電話:0296-33-3606
所在地:茨城県結城市結城7270
定休日:月曜
電話:0296-33-3711