栃木県栃木市の中心部で10月11日(土)~19日(日)、栃木市ゆかりの浮世絵師、喜多川歌麿にちなんだ「第14回歌麿まつり」が開催されます。大河ドラマ「べらぼう」で染谷将太さんが演じて話題となっている歌麿。彼が栃木市にいた時代の文化や風景に思いをはせながら、マルシェやさまざまなイベントを楽しむ9日間です。
喜多川歌麿ってどんな人?
喜多川歌麿とは、江戸時代後期に活躍した浮世絵師(大衆向けの風俗画=浮世絵を描く人)です。葛飾北斎などと並んで世界的にその名が知られていますが、生涯には謎が多いとされています。
栃木市に滞在して多くの作品を描いていたとされ、市ゆかりの旧家からは歌麿が描いた肉筆画「女達磨図」「鍾馗図」「三福神の相撲図」が発見されています。
また、肉筆画の大作として名高い「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」の3部作、いわゆる「雪月花」は栃木の豪商の依頼で描いたとされています。

アメリカで138年ぶりに一堂に会した歌麿の肉筆画3部作「雪月花」=2017年4月(下野新聞)
「歌麿まつり」は、そんな歌麿と栃木市のつながりをPRするため、市民団体「歌麿を活かしたまちづくり協議会」が2011年から主催しています。
今年のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」では、江戸文化を発展させた版元(出版プロデューサー)蔦屋重三郎に見いだされた絵師として、染谷将太さん演じる歌麿が登場しました。
例年以上に話題となっているタイミングでの「まつり」開催であり、期待感が高まります。
歌麿まつりの内容は?
「第14回歌麿まつり」は2025年10月11日(土)~10月19日(日)の9日間の開催です。蔵の街大通りを中心とする一帯で、歌麿に関連したさまざまなイベントが展開されます。
たくさんあるのですが、なかでも注目したい催しを3つをご紹介します。
とちぎ歌丸シェ
キッチンカーや飲食テントが出店し、和太鼓演奏やピアノ・ソプラノコンサートが行われます。
歌麿をイメージしたオリジナルドリップコーヒー「歌麿カウヒイ」、蔦重が大流行させた江戸時代の絵入りの読み物「黄表紙」の現代版などの販売もあるそうです。
開催日 | 10月12日(日) |
時間 | 11:00~15:00 |
会場 | 栃木市立美術館・文学館前ひろば(入舟町7-26) |
小雨決行・荒天中止です。来場者用の駐車場として、栃木警察署跡地の無料駐車場(栃木市室町11)が案内されています。
歌麿道中

遊覧船に乗る花魁などの出演者たち=2024年10月6日(下野新聞)
「歌麿まつり」のハイライトとなる豪華絢爛なイベントです。歌麿が描いた、華やか花魁(おいらん)が現代の蔵の街に登場します。
開催日 | 10月18日(土) |
時間 | 13:30~ |
会場 | 塚田歴史伝説館(倭町2-16)付近 |
雨天の場合、翌19日(日)に順延となります。
歌麿仕掛け花火と手持ち花火

巴波川沿いを彩る手持ち花火=2023年11月11日(下野新聞)
歌麿道中終了後の夕方には、巴波川周辺が仕掛け花火や手持ち花火で幻想的に彩られます。
開催日 | 10月18日(土) |
時間 | 17:30頃 |
会場 | 瀬戸河原公園(境町)と巴波川 |
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そのほかのイベント内容は、栃木市役所や歌麿を活かしたまちづくり協議会のホームページにくわしく掲載されています。
- 第14回歌麿まつりを開催します(栃木市ホームページ)
- 歌麿を活かしたまちづくり協議会公式ホームページ
栃木市立美術館では企画展「喜多川歌麿と栃木の狂歌」が12月14日(日)まで開催中です。
観覧料は一般800円、中学生以下無料。10月13日(月・祝)14:00~は歌麿作品の概要や見どころを教えてくれるギャラリートークもあり、観覧券があれば無料で聞くことができます。
「大河ドラマで歌麿に興味を持った」という方には、歌麿について深く知ることができる良い機会になりそうです。
期日:2025年10月11日(土)~10月19日(日)
会場:蔵の街大通り(栃木県栃木市万町)など