茨城県桜川市と石岡市を結ぶ「上曽トンネル」が2025年9月に開通してから、半年が経過しました。日中の交通量は、開通前の上曽峠を越えるルートと比べてなんと約4倍に増加! これまで通行が難しかったトラックやバスなどの大型車もスムーズに通れるようになり、観光誘致や地域活性化に大きな期待が寄せられています。

上曽トンネル地図
お出かけや買い物に変化!ひなまつりや直売所がにぎわう
新しいトンネルの開通で、人の流れにも嬉しい変化が現れています。
毎年2〜3月に開催され、歴史的な街並みをひな人形が彩る桜川市真壁地区の「真壁のひなまつり」。今年は6万5,000人もの方が訪れました。市民団体の代表である村上頼子さん(66)は、「初めて来たお客さまの姿も見られた」と、これまで少なかった石岡や鹿行地域からの来客が増えたことで、トンネルの開通効果を実感しているそうです。

真壁のひなまつりを楽しむ観光客=桜川市真壁町(資料写真)
また、トンネルに近い石岡市八郷地区の農産物直売所でも、柿などが品薄になるほどの盛況ぶりで、この半年間で青果物の売り上げが約1割も増加しました。JA八郷経済部の土佐秀美部長は、この好機に「ブドウやナシが出荷される秋に向けて、栃木方面へのPRを強めたい」と意気込んでいます。県境を越えて美味しいフルーツを楽しめる機会がさらに広がりそうですね。
茨城県内最長の3,538メートル!安全・快適なアクセスが実現
上曽トンネルは、幅員9メートルで片側1車線。石岡市上曽と桜川市真壁町山尾を、茨城県内最長となる3,538メートルで結んでいます。
これまで両市を結んでいた約8キロの峠越えルートは、道幅が狭く急カーブが続く交通の難所でした。トンネルの開通は、地域の方々にとって長年の悲願だったのです。

工事中の上曽トンネル=2022年7月、桜川市真壁町山尾(資料写真)
所要時間は従来より10分も短縮され、約7分で通過できるようになりました。石岡市が昨年実施した調査によると、トンネルの1日平均交通量は5,411台(開通前より4,010台増)を記録。普通車は3.5倍、大型車は7.6倍に増え、両市の関係者も「想定通りの効果」と手応えを感じています。
今後の課題は「PR」!観光周遊や地域活性化に期待
アクセスが良くなったことで、両市は観光客の増加に大きな期待を寄せています。
桜川市は茨城空港からの利便性が飛躍的に向上したため、「ひなまつりやヤマザクラの時期にインバウンド(訪日客)を呼び込みたい」としています。石岡市も、いばらきフラワーパークや観光果樹園などと連携した周遊ツアーやPR方法を検討中です。また、石岡市はアクセス向上をアピールし、企業誘致も促進したい考えです。
一方で、トンネル周辺以外の地域には開通の事実がまだ十分に知られておらず、「効果の実感が薄い」という声もあります。
石岡市小幡の温浴施設「やさと温泉 ゆりの郷」の鈴木充男支配人(60)は、「栃木県などからのお客さまを増やすには、もっとPRが必要。両市や県が率先してアピールしてほしい」と語っています。
上曽トンネルの開通によって、茨城・栃木・群馬エリアのつながりがより一層強くなることが期待されます。週末のお出かけやドライブに、新しくなったルートを利用して、ぜひ石岡・桜川エリアの魅力を発見してみてはいかがでしょうか。
