茨城県桜川市の地域おこし協力隊として活動する清田羽菜さん(25)が、市内で暮らす人々の表情や四季折々の豊かな自然を紹介する季刊フリーペーパー「花筏折々」を創刊しました。柔らかな感性ですくい上げられた地域の風景と、素直な言葉で綴られた文章が、読者に穏やかな安らぎを与えています。
移住して1年、五感で感じた「桜川の日常」
千葉県佐倉市出身の清田さんは、都内の広告代理店でウェブデザイナーとして勤務していましたが、「人付き合いがちゃんとある地方で仕事がしたい」と一念発起し、桜川市へ移住。協力隊として活動を始めて1年が過ぎました。
「季節を一巡りして、五感が少しずつ開かれていくのを感じています」と話す清田さん。有名な観光地だけではない、この町で営まれる「何気ない日常」の魅力を発信したいと日々カメラを手に取っています。
デジタルから「手触りのある」紙媒体へ
清田さんはまず、SNSでローカルマガジン「花筏さくらがわ」を立ち上げ、写真やエッセイ、住民のインタビュー動画などを発信してきました。そして今年、新たに挑戦したのが紙媒体での発行です。「紙だと手触りが良く、作り手が近くに潜んでいる感じもする。少しでも触れられるものを作りたいという思いがありました」と、デジタルにはない温もりを大切にしています。
誌名の「花筏」とは、水面に浮かんだ桜の花びらが連なって流れる様子のこと。「花筏のように、川や風の流れとともにまちの魅力を届けたい」という願いが込められています。
地域の人々と共に紡ぐ、四季の物語
年4回発行される「花筏折々」は、清田さんが自ら取材・執筆する特集が見どころです。これまでに、春号ではまちおこしプロジェクト「THE DAY」を、夏号では二拠点生活を送る人々を、そして最新の秋号では「里山での外遊び」を取り上げ、多角的な視点で桜川の魅力を切り取ってきました。
誌面を彩るのは清田さんの言葉だけではありません。市内にある花屋「Chouette(シュエット)」の細谷みさ紀さんや、アーティストのサクセ聖菜美さんによるエッセイも掲載されており、地域に根ざした人々の視点が重なり合う構成となっています。
誌面からまちへ、広がるコミュニティ
現在は、誌面やウェブの枠を超えて、人々が実際に集まれるイベントも企画中です。「これから少しずつ、まちの中に飛び出していきたい。誰かの役に立っているという実感が原動力です」と清田さんは笑顔を見せます。
フリーペーパー「花筏折々」は無料で、桜川市内の飲食店や公共施設に設置されています。清田さんの感性を通して描かれる「桜川の日常」を、ぜひ手に取って感じてみてください。
