友人から「とんでもない場所にそば屋さんがある」と教わり、閉店間際の時間に行ってみました。
まるで「ポツンと一軒家」
茨城県筑西市内の県道つくば益子線を走っていると、「やまぶき」と表示された看板を発見しました。
ここを曲がり、所々にある看板に導かれながら畑の中の狭い道を進みますが、対向車が来たらすれ違うことはできません。
このような道を5分ほど走り、ようやくたどり着いたのが「そば処やまぶき」です。
畑の中、いや森の中というのが正しいかもしれません。でも、広い更地があるばかりで、そば店らしき建物は見当たりません。車が数台止まっていたのでここで間違いないと思いますが不安です。
駐車場から「令和の森」と名付けられた小道が続きます。1分ほど歩くと、一般住宅のような建物が見えてきました。どうやら「そば処やまぶき」のようです。まさに「ポツンと一軒家」です。
1000円の天もりそばに感激
建物には玄関ではなくサッシ窓に作られた階段から入ります。
「まだ大丈夫ですか?」と尋ねると、「いいですよ、どうぞ」と歓迎していただきました。入り口で注文するスタイルのようです。上にメニューが貼られています。
もりそば500円、天もりそば1000円…今時1000円で天もりそばが食べられるのは貴重です。
天もりそばを注文し隣の部屋へ行くと、先客で満席です。辺ぴな場所にあっても人気店のようです。たまたま帰るお客さんがいてテーブルが空いたので、そこに座りました。
20分ほど待つと天もりそばが運ばれてきました。
「これで1000円!」。驚きながらその理由を店員さんに聞くと「そばは手打ちではありません。お店は『社会福祉法人あけの会』が経営しているので安く提供しています」とのことです。
手打ちではなくてもまるで手打ちそばのように風味とコシがあります。天ぷらは揚げたてで種類も豊富。そばつゆと別に天つゆがあるのもうれしいです。
手作りの、素敵な店
2023年12月までこの場所には個人経営のそば店がありましたが、閉店してしまいました。それを惜しみ、ここににぎわいの場をつくりたいと、「あけの会」の皆さんが2024年6月に「そば処やまぶき」をオープン。周辺の山林も「令和の森」として手入れしたそうです。
帰りがけに店員さんからお土産にと揚げそばを手渡されました。コーヒーも入れていただき、建物のひさしの下のベンチに座って、筑波山を眺めながら味わいました。そこから見える筑波山の形は独特で、なかなか魅力的です。
とんでもない場所にあるそば屋さんは、お腹と心がいっぱいになる店でした。
住所:茨城県筑西市寺上野572
電話:0296-48-7355
営業時間:木~日曜午前11時~午後2時(定休日は月~水曜)