茨城県内で、サクラやハナモモなどの樹木を食い荒らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が深刻化しています。特に古河市では、2026年8月末までの駆除数が1万匹を超えるなど、前年の2倍以上に急増。さらに被害は県南西地域のみならず、県内各地へと広がっています。
古河市で1万匹超を駆除。名所のサクラにも被害
古河市では、茨城県が実施している市民参加型の駆除奨励金制度「いばらきカミキリみっけ隊」(6〜9月実施)などを通じて駆除が進められています。同市における今年8月末までの駆除数は計1万322匹に達しました。これは2025年(昨年度)の約5,000匹から倍増しており、市の目標も大きく上回るペースです。
市内では、ハナモモの名所として親しまれている「古河公方公園(古河総合公園)」をはじめ、JR古河駅周辺の遊歩道、市役所古河庁舎のサクラなどでも深刻な被害が確認されています。サクラの名所である古河市宮前町の「雀神社」では、今年に入り被害を受けた数本の樹木を伐採せざるを得ない状況となりました。
生息エリアが拡大、新たに5市でも確認
県生物多様性センターによると、今年新たに守谷市、常陸太田市、取手市、つくばみらい市、常総市の5市で生息が確認されました。これで県内の生息地域は計15市町に上ります。これまで被害が目立っていた県南西地域以外でも確認されたことで、さらなる被害拡大が懸念されています。
「クビアカツヤカミキリ」とは?
このカミキリムシは、サクラやハナモモなどバラ科の樹木を好んで卵を産み付けます。
繁殖力: 1回の産卵で1000個以上の卵を産むケースもあり、非常に強い繁殖力を持っています
専門家である森林総合研究所(茨城県つくば市)の加賀谷悦子室長は、「生息数や被害が一定の水準に達すると、急激に広がる傾向がある」と強い警戒を呼びかけています。
対策の強化へ
事態を重く見た古河市は、10月に国の専門家を招き、職員向けの研修会を初めて開催します。成虫の拡散を防ぐための防護ネットの巻き方や、薬剤の注入方法など、より実践的な防除技術を学ぶ予定です。
お花見や散歩で親しんでいる地域の風景を守るため、もし見慣れないカミキリムシや、木の根元に「フラス(木くずと糞が混ざったもの)」を見つけた際は、お住まいの自治体へ相談するなど、早めの対策が求められています。
