地方都市は少子高齢化や後継者不足の影響で、空き店舗が目立つようになってきました。
かつて城下町として栄え、店蔵が建ち並ぶJR結城駅北口の市街地も例外ではありません。
このような中、結城市の市街地活性化を目指して地域起こし協力隊に着任したのが安藤洸二さんです。
地域おこし協力隊がオープン
安藤さんは埼玉県春日部市生まれ。「学生時代からカフェ巡りが好きで、たまたま訪れた結城市の風情が気に入り、2023年に着任しました」とコーヒーを入れながら振り返ります。

結城市地域おこし協力隊の安藤洸二さん
地域おこし協力隊としての任務は、結城市の魅力を発信することです。
着任以来、市内の店を紹介する小冊子を作ったり、得意の動画撮影で魅力を伝えたりしてきましたが、2024年12月、この任務の中で手がけたのが、空き店舗を活用した「cafe and」のオープンです。
「cafe and」は元ジェラート店。ゆえに内装を手直しせずにオープンできたそうです。

cafe and=結城市結城
ハンドドリップで丁寧に
カウンターに座り、コーヒーをいただきました。コーヒー豆はブラジルサントスをメインに、月替わりで2種類を用意しています。
ハンドドリップで丁寧にいれてくれたコーヒーは香り高く、取材しているのを忘れそうになります。

ブラジルサントスコーヒー。紅茶や季節のハーブティーもあります
そして、安藤さん自慢の一品が「シュガーバタークレープ」(580円)。
グルテンが少ないスペルト小麦ときび糖という、身体に優しい素材で作っています。

甘さ控えめのシュガーバタークレープ
パリッとした食感。バターの風味と共に自然な甘みが口の中に広がります。甘いものが苦手な筆者もコーヒーと一緒においしくいただきました。
「and」はつなぐ言葉
最後に店名「and」について。
「『and』は何かをつなぐ言葉です。皆さんが気軽に立ち寄れる場所をつくり、何かをつないでいけたら。それと名字も安藤なので」と優しい眼差しで話してくれました。
結城と言えば「結城紬」。「cafe and」はまちとひととを紡ぐ、心温まるカフェでした。

安藤さんと語らいながら和やかに時間が過ぎていきます