茨城県古河市に取材に行き、昼食を食べようとスマホで検索したところ、面白い名前の店がヒットしました。
「そこら辺の畑の黒ダイヤ」といううどん店です。不安も感じましたが、これは何かあると直感が働き、訪れてみました。
古民家と気になる「黒ダイヤ」
「そこら辺の畑の黒ダイヤ」は古河市上大野にあります。お店というより民家のようなたたずまいです。

「そこら辺の畑の黒ダイヤ」=古河市上大野
恐る恐る店に入ると、優しそうな女性店員さんから「上がってお好きな席へどうぞ」と声がかかりました。
建物の内部は昔ながらの古民家です。2間続きの広い座敷、窓際の濡れ縁、そして欄間の彫刻が目に留まります。

建物内は古民家の懐かしい風情が漂います
メニューを見ながら、出迎えてくれた女性店員さんにお勧めを聞くと「肉汁うどんが人気です」とのこと。迷わず普通盛り(950円)を注文しました。

メニュー表には普通、大盛り、特盛り、2枚などとあり、細かく量を選ぶことができます
しかし気になるのは「畑の黒ダイヤ」。それを尋ねると「店の主人が作っているブラックベリーのことですよ」と教えてくれました。
太くてもちもち、武蔵野うどん
まずはうどん。太くてもちもちです。高品質の小麦を使っているのでしょう。ほのかな甘みがあります。
つけ汁はカツオだしが効き、やや濃いめですが、これがうどんとベストマッチ。飛び込んだ店でこんなにおいしいうどんを食べられるとは思いませんでした。

温かい肉汁にうどんをつけていただきました
ところで、メニュー表には「うどん湯をつけ汁と割って」という文言もありました。そば湯は知っていますがうどん湯が聞いたことがありません。
さっそくやってみました。

つけ汁にうどん湯を入れます
人生初のうどん湯です。
そば湯のように風味は出ませんが、つけ汁に甘みが加わりおいしく飲み干すことができました。
自家栽培のブラックベリー
うどん完食後にブラックベリーのアイス(380円)もいただきました。
凍らせたブラックベリーとバニラアイスを一緒に口に入れると、ブラックベリーの酸味とバニラアイスの甘みが口の中で溶け合い、さっぱりとした後味を感じさせてくれます。ブラックベリーの粒々とした食感もアクセントになっています。

さっぱりとしたブラックベリーのアイス
夢中で食べていると、ご主人の青谷栄二郎さんが出てきてくれてました。
青谷さんは東京や栃木に4店舗を構える飲食店の元社長。息子さんに店を譲り、今はこの店を切り盛りしているそうです。
「料理人になって50年。ずっと厨房にいると料理だけで終わってしまうから、4年前にこの農家住宅を購入し、ブラックベリーを栽培しながらうどん店を営んでいる」とのことでした。
白いもの(うどん)と黒いもの(ブラックベリー)を同時に楽しめる大感激のランチとなりました。