多くの公募展で出品できる絵画の最大サイズ、100号-。その限界サイズに焦点を当てた、しもだて美術館の企画展「大作絵画の世界 芸術家たちの情熱」が2025年12月7日(日)まで、茨城県筑西市丙の同館で開幕かれています。
しもだて美術館所蔵の100号超の大作を中心に紹介し、洋画家で文化勲章受章者、森田茂氏(1907~2009年)の作品をはじめ、市にゆかりのある作家13人が情熱と時間を注いだ迫力の46点がそろっています。200号の特大画や全長約13メートルの組み作品も登場しています。
市誕生20周年記念事業の一環です。100号は1辺の長さが最長1メートル62で、人の背丈ほどの作品がずらりと並んでいます。
森田氏が手がけた最大サイズ200号を誇る「黒川能(石橋)」は、山形県庄内地方に伝わる郷土芸能「黒川能」を題材とした代表作の一つ。水彩画家の柳田昭氏(1948~2012年)の「郷宴」は、100号のパネルを7枚組み合わせた全長約13メートルの力作で、稲わらを重ねた「わらぼっち」のある田園風景が描かれています。
ほかに柳田氏の「終宴」、佐藤大醒氏の「麗春」も展示されています。

柳田昭「終宴」

佐藤大醒「麗春」
筑西市に長く滞在した日本画家、岩淵芳華氏(1901~1956年)の「春ノ海」は、西洋画の影響で鮮やかな色合いが目を引きつつ、間近では日本画の特徴を示す岩絵の具の輝きが見られます。
同館学芸員の篠木崇史さん(31)は「作品から離れてから近寄って見ると、表面の質感など作品の見え方が違う」と説明しています。
11月16日午後1時半から、展示された作家のうち森田氏に師事した洋画家で、はにわを生涯のテーマとする飯泉俊夫氏のギャラリートークがあります。
会期:2025年12月7日(日)まで※月曜休館、11月24日は開館、翌日休館
会場:しもだて美術館(茨城県筑西市丙372)
開館時間:午前10時~午後6時※入館は午後5時半まで
入館料:一般400円、高校生以下無料
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