佐野市にいた“世界一青いバラ”を育てた偉人 とちぎ花センターでその歩みを紹介しています



佐野市

実現不可能とされた青いバラの育種に生涯を捧げ、1990年代に“世界で一番青いバラ”を作り出した人物が栃木県佐野市にいたことをご存知でしょうか。栃木市の植物園「とちぎ花センター」で、没後20年を迎えた小林森治さんの偉業を伝える企画展「青バラの父・小林森治展」が5月6日(水・振)まで開催されています。

小林森治さんという人物

小林森治さんは1932年佐野市生まれ。電気技師として働くかたわら、アマチュアの育種家(新しい品種を生み出す専門家)として、約40年もの歳月をかけて青いバラを追い求め続けました。

小林さんを取り上げた2003年の下野新聞の記事

バラには青い色素を作るため遺伝子がないとされ、長年の間、不可能の代名詞とされてきた「青いバラ」。

のちにサントリーなどが青色遺伝子を組み込むバイオ技術で実現させることになりますが、小林さんが唯一無二の存在として知られるのは、遺伝子改良ではなく人工交配のみで「青いバラ」を目指した点にあります。

企画展で展示される小林さんの年表パネル

膨大な時間を研究・育成に捧げ、1992年に当時“世界で一番青いバラ”と言われた「青龍」を作出。2005年に73歳で生涯を閉じるまで、14品種のバラを世に送り出しています。

とちぎ花センターとの縁

小林さんは生前、佐野市の自宅から近いとちぎ花センターをよく訪れていたそうです。

そうした縁もあって、小林さんが自宅で育てたバラの一部はとちぎ花センターに植え替えられ「バラ園」(2007年開園)造成のきっかけとなりました。

バラ園の青いバラが植えられている一角

小林さんと親交があった、とちぎ花センターの稲葉英雄さんは「(生前は)気のいいおじさんという印象ですが、ご家族からお話を聞いたり遺された資料を読んだりすればするほど、40年近くにわたって持ち続けてきた熱意に圧倒されます」と話します。

奥の建物が企画展会場の鑑賞大温室です

没後20年を経過した節目もあり、今回はバラの見頃時期に開催される「ローズフェスタ」に先駆ける形で、小林さんの足跡を伝える企画展を開催することに。

バラ園のリニューアル内容を伝えるパネル

約600種1200株が植えられている屋外のバラ園のリニューアルも行われ、4月末頃から順次開花していきます。

小林さんの代表作「青龍」も植えられていますが、こちらは遅咲きのため、見頃は5月中旬ごろにとなるということです。

郷土が生んだ偉人を身近に

4月11日(土)に鑑賞大温室で始まった企画展「青バラの父・小林森治展」では、年表や小林さんが遺したノートなどの資料を展示。あわせて小林さんのバラを引き継いだバラ園の紹介も行っています。

小林さん直筆のノート。びっしりと書かれた文字に研究の精緻さがうかがえます

取材時は準備中でしたが、小林さんが作出した品種の実物が見られるよう、温室で育てた鉢の公開も順次行われるとのこと。

小林さんが作出した品種の紹介パネル

サントリーフラワーズの協賛により、遺伝子組み換え技術で開発された青いバラ「アプローズ」の標本もお目見えします。

身近でわかりやすい展示を得意とするとちぎ花センターらしく、スタッフ出演の再現VTRやオリジナルグッズの販売も。郷土が生んだ偉人の生涯や情熱に触れることで、バラはもちろん植物に対する見方が変わるに違いありません。

青バラの父・小林森治展 ~「不可能への挑戦」青いバラを求めて~
期日:2026年4月11日(土)~5月6日(水・振)
時間:9:30~16:30(最終入館16:00)
料金:大人500円、小中学生110円
会場:とちぎ花センター(栃木県栃木市岩舟町下津原1612)
詳細:とちぎ花センターHP(https://www.florence.jp/

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