風情ある古い町並みが残る、茨城県桜川市真壁。国の伝統的建造物群保存地区(伝建地区)にも指定されている歴史的な町並みを歩いていると、突如として異国情緒あふれる三輪自動車「トゥクトゥク」が現れます。
そこは「旅人Café TOY BOX」。地元野菜を使ったグルメ、歴史ロマンあふれる店内、そして多才な店主が迎えてくれる、魅力ぎっしりのスポットです。

トゥクトゥクが目印の「旅人Café TOY BOX」(桜川市真壁)
■華美な看板はNG! 景観に配慮し「トゥクトゥク」が目印に
「なぜ和の町並みにトゥクトゥク?」と疑問に思う人も多いはず。実はこれには、景観を大切にする真壁ならではの理由がありました。
「ここは伝建地区なので、華美な看板を出すには役所の許可が必要なんです。どうしようと考えたとき、目立つものをドーンと置いたらいいなと。元々乗り物が好きだったので、町で動く一番変な乗り物は何だろう? と考えたら、トゥクトゥクに行き着きました」

近くで見ると味わい深いトゥクトゥク。店の看板娘です!(桜川市真壁)
そう語るのは、店主の多田源さん。名古屋に専門店があるのを見つけ、新幹線に乗って買いに行ったという行動派です。車検は通っており、公道を走れます。

店主の多田源さん
店では希望者に、源さん自らが足で稼いだ情報をもとに描き上げた「ディスカバーまかべいらすとMAP」も配布しています。家々の写真を撮り、ペン画で仕上げた力作です。「寂れている町をどうにかしようと、自分にできることとして描きました」と源さん。細かな書き込みに脱帽です。

源さんが描き上げた「ディスカバーまかべいらすとMAP」
■メニューは地元食材たっぷり!
店は源さんと、調理を担当する弟の郷さん、接客を担当する田口文子さんの3人で切り盛りしています。気になる看板メニューは、地元の野菜を使った「ビーフシチュー」(午後2時まではランチタイムサービスでサラダ、ライスが付いて1500円)と「焼きチーズカレー」(同1200円)。タマネギ、ナス、ピーマンからルッコラなどのお洒落な野菜まで、オーガニックな地元食材がたっぷりと使われています。郷さんは「一番遠くから来ている素材は土浦のレンコンかな」と笑います。
ビーフシチューには地元産の季節の野菜がトッピングされて、彩りも美しい仕上がり。この日はスティックセニョールという珍しい品種のブロッコリーやアスパラなどが添えられていました。トッピングは時季によって変わるそうです。

看板メニューのビーフシチュー。サラダ、ライスが付きます
さっそく頂くと、ソースに溶け出した野菜の甘みとお肉のうまみが絶妙に絡み合います。お肉は口の中でほろっとほどけ、見事な味わいです。添えられたライスも絶品。「筑波山から流れてきた水で育った米なので、おいしいですよ」と源さんも太鼓判を押します。

こちらも評判の焼きチーズカレー
もう一つの名物が「伝説の丸鶏半身揚げ」(1000円)。モンゴル通の叔父から受け継いだという「モンゴル岩塩」のみで味付けされ、じっくりと素揚げします。シンプルな調理法ながらも驚くほどジューシー! 提供まで30分かかるこだわりの逸品で、今回はテイクアウトで注文しました。

「伝説の丸鶏半身揚げ」。伝説の名は伊達では無いおいしさ
自宅でレンジで温め直し、骨ごとかぶりつくとジューシーな脂があふれ出します。モンゴル岩塩のコクのある塩味が鶏のうまみを引き立て、モモや胸、手羽など様々な部位の味の違いを楽しめるため、かなりのボリュームでもあっという間に完食してしまいました。「ビールを用意しておけばよかった!」と後悔するほどの美味しさです。
■日本で唯一(?) 鐘の突けるカフェ
店内には釣り鐘があります。製作したのは、地元で鎌倉時代から800年続く、東日本で唯一の釣り鐘屋「小田部鋳造」の37代目。奈良の博物館からの依頼で型を取り、作られたものだそうです。計3つあるというレプリカ。2つは博物館や大学の資料館に展示されていますが、いずれもガラスケースに入っているため直接触れることはできません。
源さんによると、「文字通り、実際に突けるのはここだけ」とのこと。ご厚意で鐘を突かせていただくと、思っていたより高音が響きます。後に残る余韻も素晴らしく、思わず聞き入ってしまいました。

他のお客さんも鐘を突いていました
■ライダー歓迎! 田舎の魅力を発信する情報発信基地へ
平日は旅行業やスクールバスの運転手として忙しく駆け回っている源さん。定休日は木曜日と第2・4水曜日ですが、「実はお店のお客さんだけでなく、私も“スナフキン”みたいに飛び回っていてお店にいないことが多いんですよ(笑)」と語る通り、平日は不定休になることもあり、金・土・日・月の週末をメインに営業しています。来店前に電話で確認することをおすすめします。
週末には近隣県からも多くのライダーやサイクリストが訪れます。自転車やバイクで来店した方には、お気持ちとして「50円引き」のライダー割り引きも。
「田舎でできることを楽しんでやっていれば、それを見た人が訪れてくれる。そこから田舎に興味を持ってもらい、いつかは移住に結びつけば」と語る源さん。空き店舗の紹介など、移住や商売を始めたい人への橋渡し的な存在にもなっています。

さまざまな調度品が並ぶ店内。落ち着きます
源さんの趣味の自転車やバイクなどさまざまな調度品が置かれた店内は店名通り、大人の「TOY BOX(おもちゃ箱)」でした。茨城・栃木・群馬エリアからのツーリングやドライブの目的地として、真壁の歴史と美味しい食事、そしてスナフキンな店主に会いに行ってみては?
住所: 茨城県桜川市真壁町真壁152-3
電話番号: 0296-48-7111
営業時間: 11:00~16:00 / 18:00~21:00(※夜の営業は事前予約が必要)
定休日: 毎週木曜、第2・4水曜(※平日休業の場合あり。週末の来店がおすすめ)
駐車場: 普通車3台
※お出かけの際は、最新の営業情報を店舗へご確認ください。
