関東最後の大型ダム「南摩ダム」が来年度運用へ! 茨城県古河市・五霞町などの水道水はどう変わる?



堤体の上流側表面がコンクリート壁で覆われた南摩ダム=栃木県鹿沼市 五霞町
堤体の上流側表面がコンクリート壁で覆われた南摩ダム=栃木県鹿沼市

栃木県鹿沼市の「南摩なんまダムが、いよいよ2027年度から本格運用を開始します。このダムは、茨城県古河市や五霞町、栃木県の小山市や鹿沼市などに水道水を供給する重要な役割を担っています。私たちの生活に欠かせない「水」の安定供給が期待される一方で、気になる事業費負担や水道料金への影響について、現在の状況をまとめました。

■半世紀を経て完成!「南摩ダム」ってどんなダム?

関東地方で最後の大型ダム建設と言われる「南摩ダム」。計画着手から半世紀余りの歳月を経て、昨年(2025年)8月にダム本体が完成しました。現在は、本格的な運用に向けて実際に水を貯めるテスト(試験湛水)が行われています。今年度末にはすべての工事が完了し、来年度からいよいよ水資源の管理が始まる予定です。

高さ86.5メートルを誇るこのダムは、南摩川だけでなく、近くの黒川や大芦川をトンネル(導水路)で結び、川同士で水を融通し合うという独自の機能を持っています。思川や利根川下流域の洪水対策(治水)に加え、私たちの暮らしに必要な水を安定して届けることが期待されています。

■渇水リスクを低減! 「水」が安定して届くメリット

予定されている水道水の供給先は、茨城県の古河市や五霞町、栃木県や同県の小山市・鹿沼市、埼玉県、千葉県の北千葉広域水道事業団の合計7団体です。

これまで、古河市や五霞町、小山市などは一時的な「暫定取水権」という形をとっていましたが、ダムの運用開始後は、より確実な「安定水利権」を取得することになります。
古河市の担当者によると、安定した権利を得ることで「権利関係が安定し、更新期間も延びる」とのこと。さらに、水不足の際に取水制限を受けるリスクを減らせることや、地盤沈下の原因にもなる地下水の汲み上げを抑えられるといった、住民の生活を守る大きなメリットがあります。

古河市役所総和庁舎=同市仁連

古河市役所総和庁舎=同市仁連

また、2027年4月から給水源のすべてを埼玉県に切り替える予定の五霞町も、将来の水の需要を見据えて、この安定水利権を確保する方針です。

■ 気になる「水道料金」への影響は?

一方で課題となるのが、総額およそ2,100億円に上る事業費です。本格的な運用が始まる前に、関係する自治体や団体で負担割合についての協議が行われます。
現在、水道水の約7割を思川に頼っている古河市でも、事業費の負担が将来的に水道料金へ影響するのではないかと懸念されています。

これについて古河市の担当者は、「負担が生じるからといって、水道料金の値上げありきで考えるのは違う」と話しています。ただし、人口減少や水道設備の老朽化などを背景に、将来的に適正な料金の見直しが求められる可能性もあるため、「茨城県の水道事業広域化に参加するなど、コストを下げる努力をしていく」としています。

毎日の暮らしを根底から支える「水」。豊かな水資源の恩恵を受けつつ、持続可能な水道の仕組みづくりに向けた自治体の取り組みに、今後も注目が集まりそうです。


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