茨城県桜川市の古刹を訪ね、塔を回ってきました。「桜川三塔巡り」。茨城県などが勧める観光キャンペーン「茨城アフターデスティネーションキャンペーン」の一環で、桜川三塔巡り実行委員会が主催しています。期間限定の特別御朱印や記念品をいただき、三重塔の内部も「とりぷれ」読者のために特別に撮影させていただきました。
宗派を超えたコラボ企画
三塔は、北から富谷観音(小山寺)、雨引観音(楽法寺)、椎尾薬師(薬王院)にそびえています。3寺はいずれも開山から千年以上が経過し、宗派は、富谷観音と椎尾薬師が天台宗、雨引観音が真言宗。三塔巡りは、宗派を超えたコラボ企画なのです。
3寺を巡って、特別御朱印を集め、共通御朱印帳(台紙)を完成させると記念品がゲットできます。回る順番に決まりはありませんが、記念品は雨引観音か椎尾薬師で授与されることになっています。
富谷観音からスタート
北関東自動車道の桜川筑西インターを降りて、最初に向かったのは富谷観音。今回は富谷観音から雨引観音、椎尾薬師へと南下するルートにしました。
富谷観音への参道は2つあり、県道つくば益子線の栃木県益子町寄りの入り口から入る方が道幅が広く、通行しやすいと思います。
つづら折りの道を上って境内に車を止め、仁王門をくぐり階段を上ると、三重塔が目に飛び込んできます。塔は室町時代中期の1465(寛正6)年に建立され、関東地方以北で最古のものと言われています。
柿葺き屋根や禅宗様式の高欄(手すり)、部材に施された透かし彫りなどに特徴があり、国の重要文化財に指定されています。
三重塔を特別開帳
取材した日は塔の内部、初層が特別開帳されていました(拝観料500円)。丹治純孝住職のご厚意で「とりぷれ」読者のために特別に撮影させていただきました。
丹治住職によりますと、塔の開帳は1991(平成3)年に完了した、平成の修復工事以来ということで、33年ぶりになります。釈迦如来と、向かって右側に文殊菩薩、左側に普賢菩薩の像が安置されています。ぐるりと一周しながら、さまざまな角度から見ることができます。
寺伝によれば、寺は735(天平7)年、聖武天皇の勅願により行基に開創されました。三重塔の下には聖武天皇の第三準皇后の遺骨が納められているということです。
三重塔のほかに本尊の十一面観音(茨城県指定有形文化財)を祭る本堂(同)、仁王門(同)、鐘楼(同)など見どころ満載です。
共通御朱印帳(台紙)と特別御朱印
三塔巡りのスタートということで、共通御朱印帳(無料)と、これに貼り付ける特別御朱印(500円)をいただきます。共通御朱印帳は、日立市の切り絵作家・竹蓋年男さんが桜川三塔巡りのためにデザインしたもので、特別御朱印は裏がシールになっています。
御朱印のほかに、どら焼きとミカンを頂戴しました。
拝観の際は、駐車スペースに限りがあるので近くの富谷ふれあい公園に停めることをお勧めします。
続いて雨引観音へ
富谷観音から車で約25分。仁王門(茨城県指定有形文化財)を通り抜け、やや急な石段を上ると、本堂と多宝塔が眼前に現れます。安産や子育てにご利益があるとされる雨引観音。境内は七五三参りの家族連れでにぎわい、子どもたちが元気に走り回っています。
寺は用明天皇2年(587)年の開創で、本尊は延命観音(国指定重要文化財)。サクラやアジサイが咲き誇る、花の寺としても知られています。
現在の多宝塔は1853(嘉永6)年に建立されたものです。特別開帳はありませんが、塔を背景に記念撮影ができるようになっていて、思い出の一枚を残す家族連れが後を絶ちません。
子どもの健やかな成長を祈る七五三参りは11月9、10日の土日がピークになるのでしょう。
境内ではクジャクやアヒルが放し飼いされていて、美しい姿やユーモラスなしぐさを楽しむことができます。
寺務所で特別御朱印(500円)をいただき、最後の訪問地、椎尾薬師を目指します。でもその前に寄り道して腹ごしらえすることにします。
〈下〉に続きます。
開催期間:2024年12月1日(日)まで
特別御朱印:各寺500円
塔特別開帳:2024年11月16日(土)、17日(日)、30日(土)、12月1日(日)※富谷観音、椎尾薬師のみ(中学生以上500円)
インスタグラム:https://www.instagram.com/sakuragawa3towers/
所在地:茨城県桜川市真壁町椎尾3178
拝観時間:午前9時~午後4時
問い合わせ:0296-55-4319
インスタグラム:https://www.instagram.com/shiiosan2020/