夏といえばカレー派の筆者。暑い日が続く中、刺激的な味を求めて向かったのは、2023年11月にオープンした「スパイスカレー・クイーン」(茨城県筑西市二木成)。水曜と日曜の限定営業です。
店の前の看板には「スパイスにはさまざまな効果が秘められており、天然の薬とも言われています」と記されています。さらに「当店のカレーは市販のカレールーや小麦粉は一切使用せず、複数のスパイスを混合して独自にアレンジを加えたカレーです」とも。この説明だけで、期待に胸が膨らみます。
入店してまず目に入ったのが、カウンターに並べられた瓶詰めスパイスです。一つひとつにそれぞれの効能が記されたシールが貼られています。「肝機能促進」「リラックス効果」「ダイエット」など、どれも筆者の体に必要なものばかりです。
メニューは2種類あり、ここは迷わず店お薦めの「無水チキン」「シーフード」「ポーク」3種盛りを注文しました。
待つこと数分、3種盛りが運ばれてきました。皿の中央のごはんを囲むように3種類のカレーと色とりどりの副菜が盛り付けられています。野菜もたっぷりで、夏バテ気味の体に健康的な刺激をもたらしてくれそうな一皿です。
まずは看板メニューの「無水チキン」です。こちらは仙台の人気店監修のカレーで、骨付きの鶏もも肉をトマトと玉ネギと一緒に長時間煮込みます。仕込みを入れると完成までに8時間くらいかかっているそうです。
鶏肉はホロホロにほぐれていて、舌の上でとろけるような柔らかさです。トマトや玉ネギなどの野菜のうまみと各スパイスの風味が口の中に広がり、疲れた体をじんわり労ってくれるような味わいです。
「シーフード」は、ココナッツミルクとスパイスが魚介の味を引き立てます。「ポーク」はゴロっとした豚肉で食べ応えがあり、赤身と脂身のバランスを考えて肉をカットしていることもおいしさにつながっているようです。
3種類のカレーを少しずつ楽しんだ後は、混ぜ合わせながら食べ進めていきます。スパイスと素材のうまみが複雑に絡み合い、相乗効果で口の中に広がります。副菜を合わせるとこの一皿で20種類以上のスパイスを使用しているとのことです。食べ終えるころには背中にじんわり汗をかき、だるくて重かった体が軽くすっきりしました。
知れば知るほどに奥行きが
店の出入り口付近から「お味はいかがでしたか?」という声が聞こえました。声の主は店主の橋本由美子さんです。現状にとどまらす、さらにたくさんの人が親しめるスパイスカレーの味を追求するためにお客さんに感想を聞いています。
橋本さんはスパイスカレーにはまり、あちこちの店を食べ歩いていました。しかしスパイスカレーを味わえる店はそれほど多くなく、だったら自分で作れるようになろうと奮起、教室に通ようになりました。そして息子さんが営む焼鳥屋の定休日に店を間借りして、自分の店を開くまでになりました。
スパイスは吟味し、種類によって仕入れ先を変えています。さらに、カレーの味を引き立てる副菜に使う野菜の自家栽培に取り組んでいます。
知れば知るほどスパイスの奥行きの深さを感じるという橋本さんは、多くの人にスパイスカレーを知ってもらいたいと力を込めます。「スパイスカレーは辛いという固定概念を持っている方が多いと思いますが、それだけではありません。辛さの調整もできますし、スパイスは天然の薬とも言われています。ぜひ一度ご賞味ください」と笑顔で話していました。
住所:茨城県筑西市二木成1494-2 マルナビル1F南
電話:070-2821-7888
営業日:水曜(午前11時半~午後2時、午後6時~8時。カレーなくなり次第終了)
日曜(午前11時半~午後2時)
※週2日
インスタグラム:https://www.instagram.com/spicecurry.queen/?igsh=cTR4NDVwbnMxcG5v