茨城県五霞町は、2027年4月から町内で使用する水道水を、すべて埼玉県からの供給に切り替える方針を固めました。現在は町での自己取水と、埼玉県から購入する2つの方式を併用しています。
今後は100%「埼玉県水」へと一本化。これにより町浄水場(五霞町川妻)を廃止し、水道事業にかかるコストの大幅な削減につなげます。2026年5月からは、受け入れる水量を増やすための送水管工事がスタートする予定です。
町単独での事業維持、困難に
人口減少などを背景に、全国的に一つの市町村単独で水道事業を維持していくことは難しくなっており、地域の枠を超えた連携が進んでいます。茨城県内でも市町村が共同で水道を管理する動きがあるものの、五霞町は利根川を挟んで埼玉県側に位置しているため、茨城県側からのインフラ接続が難しいという地理的な事情がありました。

五霞町役場=同町小福田
そのため五霞町は現在、利根川から取水した水(1日平均1,800トン)と、埼玉県企業局から購入した水(同2,000トン)を合わせて町内に供給する方式を採用しています。
しかし水道事業の経営環境は厳しく、毎年度、町の一般会計から多額の資金を補填しているのが実情で、2026年度予算でも約1億2,000万円を補填しています。
さらに、現在の浄水場は建設から30年が経過して老朽化が進んでおり、設備の更新には約64億円かかると試算されるなど、将来的な財政負担が大きな課題になっていました。
町は、安定した水道インフラを維持するため、全量を埼玉県から購入する道を模索してきました。試算の結果、自前で設備を更新するよりも、埼玉県から購入する方が長期的にもコストを抑えられることが分かりました。
埼玉県側も県内の需給状況を踏まえ、五霞町が必要とする水量(1日最大6,000トン)を供給することが可能と判断。これにより今回の取り組みが実現する運びとなりました。

2027年4月までに休止する五霞町川妻浄水場=同町川妻
基本料金の変更はなし
2026年度は受け入れ量を増やすための送水管の拡張工事を行い、利根川からの自己取水は同年度中に終了する見込みです。なお、配水設備などは引き続き使用するため、当面の間、浄水場の取り壊しは行いません。生活に直結する町内の水道基本料金についても、今回の移行にともなう変更はないとのことです。
今回の決定について、知久清志町長は「浄水場の更新費用が大きな課題だった。増量に対する埼玉県の調整に感謝したい。今後も持続可能な水道事業に努めていきたい」と話しました。
