将棋名人戦・古河対局、膨らむ期待 藤井聡太名人vs永瀬拓矢九段 5月29、30日に第5局 おもてなし準備進む



将棋の名人戦第5局の対局会場となるホテル山水の「吉祥の間」。床の間には高橋采子社長が依頼した書「一擲」が飾られました=古河市中央町 グルメ
将棋の名人戦第5局の対局会場となるホテル山水の「吉祥の間」。床の間には高橋采子社長が依頼した書「一擲」が飾られました=古河市中央町

将棋の藤井聡太名人(22)=竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖=に永瀬拓矢九段(32)が挑む第83期名人戦7番勝負第5局が2025年5月29、30日、茨城県古河市で実施されることが決まり、地元は歓迎ムードに沸いています。市内や対局会場ではもてなしの準備が進められ、市民は大一番の「古河対局」に期待を膨らませています。

先に4勝した方が名人を獲得します。第4局は17、18の両日、大分県宇佐市で指され、同じ局面を繰り返す「千日手」で指し直しの末、永瀬九段がシリーズ初勝利で1勝3敗として、勝負は古河市開催の第5局に移ることになりました。

会場となるのは同市中央町のホテル山水。対局がある「吉祥の間」は40畳の広さで、畳、壁、ふすまは全て新調しました。さらに床の間には、高橋采子社長(77)が大勝負を表現しようと、知人の書家に依頼した書一擲いってきを新たに飾りました。

高橋社長は「全国の注目が集まるので、気を引き締めて最高のおもてなしができるよう、万全の準備をしたい」と意気込みます。

市や実行委員会も歓迎の準備を進めています。今週中にも、JR古河駅や市庁舎に垂れ幕やのぼりを設置するということです。針谷力市長は「開催をうれしく思う。歴史と文化が薫る古河市での名勝負を心待ちにしている」と期待感をにじませ、「素晴らしい戦いを通じ、将棋の魅力を多くの方に感じてもらいたい」とも語ります。

関連イベントの大盤解説会が予定される山水はなももプラザに懸かる垂れ幕=古河市横山町

関連イベントの大盤解説会が予定される山水はなももプラザに懸かる垂れ幕=古河市横山町

対局のほか、「勝負めし」にも注目が集まっています。市将棋名人戦実行委は両者に提供するメニューブックに載せる食事、ドリンク、スイーツの3部門計40品を地元店舗から募集し、選定しました(メニューブックなどはこちら)。

メニューブックの表紙のイメージ(古河市のホームページから作成)

メニューブックの表紙のイメージ(古河市のホームページから作成)

市観光協会の渡辺勉会長は「勝負めしも話題になって、古河の知名度アップにつながってほしい」。2部門でメニューが載った農業生産法人の担当者は「ぜひ選んでもらいたい」と願いを込めます。

メニューブックのイメージ(古河市のホームページから作成)

メニューブックのイメージ(古河市のホームページから作成)

地元住民や県内の将棋関係者も第5局を歓迎。市内の70代男性は「明るい話題。古河を知ってもらう良い機会になるのではないか」と話します。自身もアマ強豪で将棋ライターの美馬和夫さん(69)=同県牛久市=は「2人が茨城で対局するというのは感慨深い。特に序盤の駆け引きに注目」と胸を躍らせています。


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