境町の「利根川大花火大会2025」を楽しもう!〈上〉 国内最大級3万発、4大花火師が夢の競演 9月13日



9月13日に境町で開催される第38回利根川大花火大会のポスター(部分) 地域別
9月13日に境町で開催される第38回利根川大花火大会のポスター(部分)

夏休みで花火シーズンは終わったと思っているみなさんへ。2025年茨城の花火大会は9月から佳境に入ります。その皮切りが、境町の利根川河川敷を会場に開催される「第38回利根川大花火大会」です。

9月13日に境町で開催される第38回利根川大花火大会のポスター

9月13日に境町で開催される第38回利根川大花火大会のポスター

37度を越える猛暑の中、準備に忙しい境町観光協会を訪れ、刷り上がったばかりのプログラムを見ながら、見どころや大会運営、来場者へのアドバイスなどを伺いました。

さかいふるさと祭り運営委員会事務局

さかいふるさと祭り運営委員会事務局。左から藤森優さん、沼田辰徳さん、萩原扶美さん、金久保友岐さん

対応していただいたのは、沼田辰徳事務局次長、萩原扶美さん、境町まちづくり推進課の金久保友岐さん、森藤優さんの4人です。観光協会は、花火大会の企画から実施まで全てを担当していますが、大会が近づくと役場から職員の応援があるとのこと。

第38回利根川大花火大会のプログラム

第38回利根川大花火大会のプログラム

ちなみに、このプログラムは初版で、新たな情報などを加えた最新版が花火大会当日、来場者に配られるそうです。

🎆「ダブル受賞」の4社が集結

最初に、このプログラムには掲載されていない花火会社の紹介です。大曲(秋田県大仙市)の全国花火競技大会と茨城県土浦市の土浦全国花火競技大会の両大会で内閣総理大臣賞を受賞したのは、数多ある花火会社の中でも5社に限られ、そのうちの4社が利根川河畔に集結します。

野村花火工業㈱(茨城県水戸市)

野村花火工業の作品=2024年9月、境町提供

野村花火工業の作品=2024年9月、境町提供

創業150年を迎えた屈指の老舗で、今大会のトピックスは、大曲で8月30日(土)に開催された全国花火競技大会で前人未踏の10回目となる内閣総理大臣賞を受賞したことです。

今大会に出品する3社を含む、並み居る強豪27社を抑えての快挙でした。特に、10号玉芯入り割物の部は、究極の花火と言われる「5重芯菊」自由玉の部は、大海に輝くサンゴを「野村ブルー」の大輪とパステルに輝く小割浮模様こわりうきもようでイメージした作品を打ち上げ、両部門で優勝。土浦全国花火競技大会でも内閣総理大臣賞を12回受賞している国内最高峰の花火会社です。

㈱山﨑煙火製造所(茨城県つくば市)

山﨑煙火製造所の作品=2024年9月、境町提供

山﨑煙火製造所の作品=2024年9月、境町提供

創業から120年を超える老舗で、今年の大曲では、夜花火の部3部門全てに入賞するなど、野村花火とともに、日本の花火業界をけん引する実力派です。

元々利根川大花火大会を担当していたことから、現在も企画の中心的な役割を担うほか、茨城県内外の花火大会も数多く担当、さらに海外にも市場を広げるなど、日本花火の輸出振興にも貢献しています。多重芯菊型花火の真円度やミュージックスターマインのセンス光る構成を楽しみましょう。

㈱紅屋(べにや)青木煙火店(長野県)

紅屋青木煙火店の作品=2024年9月、境町提供

紅屋青木煙火店の作品=2024年9月、境町提供

長野市に本店を置く創業109年の老舗。社長の青木昭夫さんの祖父は、「花火の神様」と呼ばれた儀作さん。三重の球形を描く八重芯菊を完成させたことで知られます。最近では、昭夫さんの息子の大典だいすけさんが各競技大会への出品に取り組んでいます。長野市で毎年11月下旬に開催し、コアな花火愛好家が注目する「えびす講花火大会」を担当しています。

㈱マルゴー(山梨県)

マルゴーの作品=2024年9月、境町提供

マルゴーの作品=2024年9月、境町提供

創業70年と前3社より新しいイメージですが、競技大会では必ず上位に食い込んでくる実力派です。今年の大曲では、芯入り割物の部創造花火の部で入賞しています。パステルカラーの花火やムービングと呼ばれる、時間差で光る感動的な演出が特徴で、若い層のファンが増えています。毎年8月7日の「花火の日」に山梨県市川三郷町で開催される「神明の花火大会」を担当しています。

🎆全て音楽付きプログラム

今回の利根川大花火大会は、これまで会場内の中間位置にあったスピーカーの位置を観覧席最前列に変えることにし、快適な音響環境でミュージックスターマインを楽しめそうです。

注目のプログラムを挙げてみました。

🎇1番オープニング
打ち上げ担当は、野村花火と紅屋青木です。2社のコラボは初の試み。曲目も変えてぜいたくな2部構成を楽しめそうです。

🎇2番「Let’s Game Start」
㈱丸玉屋小勝煙火店
(東京都)の担当。大会出品は、工場が茨城県下妻市にあることが縁になっているようです。

🎇3番「百花乱舞」
福岡県北九州市の㈱ワキノアートファクトリーが担当。最近、めきめきと腕を上げて、4月の大曲「新作花火コレクション」では、新作花火の部で優秀賞を受賞しました。この大会では、初登場した一昨年から花火愛好家に評判がよく、物量、色合い、打ち上げのテンポなど、これまで同様に前半を盛り上げてくれること間違いありません。

🎆画像・動画は永久保存版

🎇6番特別企画「未来への共創」
4社が尺玉12発ずつ、合計48発を3カ所から音楽付きで打ち上げます。4号玉800発の一斉打ち上げも予定。大曲のエンディング「いざないの街+秋田県民歌」で打ち上げる尺玉30連発のイメージでしょうか。7分間、国内最高の技を瞬きするのも惜しいほどに脳裏に焼き付けられますし、カメラマンにとっては画像・動画共に永久保存版になること請け合いです。

🎇7番から10番
選曲はそれぞれの花火会社が担当、これら以外の演目は実行委員会が提案した曲目から選んだとのこと。楽しみは当日に取っておきましょう。

🎇11番グランドフィナーレ
打ち上げ幅450m、斜め打ちの採用で夜空での展開幅は900mにも及びます。約10分間に1万発の壮大なスケール感は、昨年以上に強烈な感動を堪能できること間違いありません。

第38回利根川大花火大会
開催日時:9月13日(土)午後6時~(荒天順延)
開催場所:茨城県境町利根川河川敷
問い合わせ:境町観光協会(0280-81-1319)
公式ホームページ:https://www.sakai-hanabi.com/

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