暑い日が続き、夏バテ気味の方も多いと思います。このような時にお薦めしたいのが甘酒です。甘酒は冬の飲み物というイメージがありますが、江戸時代は夏に売られたという記録があり、俳句では夏の季語になっています。
酒母を生かす
桜川市においしい甘酒を作っている酒蔵があります。創業240年を誇る「西岡本店」です。国の文化財に登録されている店舗や蔵が、筑波山を背景に建ち並んでいます。
入り口左手にある蔵は店舗として活用されていて、中に入るときれいに並べられた日本酒の瓶が目を引きます。
つい手に取りたくなりますが、今回は甘酒が主役です。
「西岡本店」社長の西岡勇一郎さんに甘酒に込めた思いをうかがいいました。
甘酒づくりを始めたのは10年前。「きっかけは酒母です。酒母をもっと生かしたいと考え、思いついたのが甘酒でした」。
酒母とは、日本酒を醸造するために培養された優良な酵母のことで、日本酒を作る土台になります。「酒の母」と表記するように、日本酒を生み出す源となるものです。
酒母づくりの技術を活用し、桜川市の米、自社の米こうじ、筑波山の伏流水のみ、糖類や保存料は一切使用せずに、自然の甘さを引き出したそうです。
栄養価高い「飲む点滴」
さっそく「はなのい 食べるあまざけ」をいただきました。
きりりと冷やされた甘酒をいただきました。どろったした感じで米の粒々もありますが、粒々は柔らかく、食べるというよりも飲むように喉を通ります。甘さも控え目ですっきりしています。カロリーは140キロカロリー程度と、太ることを気にしないで栄養補給できます。
また、2023年秋から売り出した新商品「米の『飲む』ヨーグルト」もいただきました。
茨城県産業技術イノベーションセンターが開発した植物性乳酸菌を使用し、「はなのい 食べるあまざけ」を乳酸菌発酵させたものです。
甘酒に程よい酸味が加わり、さわやかな風味を楽しめます。容器は飲みやすいスパウトパウチになっているので、スポーツ時の補給食としても活用できます。
「甘酒は『飲む点滴』とも言われています。食欲のないときなどにお薦めです。アルコールはゼロなので、子どもからお年寄りまで安心して味わってほしい」と西岡さん。
まだまだ残暑が続きます。夏バテ気味の方は、栄養価の高い甘酒を飲んで乗り切りましょう。