茨城県境町で「さしま茶」を栽培する「長野園」と、実店舗の「TEAISM SHOP(ティーイズムショップ)」を取材しました。
70年以上の歴史
さしま茶の産地として知られる境町。1947(昭和22)年、第2次世界大戦終戦後の混乱の中で、日本政府が進めた農地改革の波を受けながら茶作りを始めた「長野園」は、70年以上の歴史を持ちます。
これまで緑茶のみを生産していましたが、2010年に和紅茶の栽培をスタートさせました。
栽培管理と製茶工程をゼロから見直し、5つ星ホテルへの提供に加え、販路を全国、さらには海外に広げています。
花水理夫さんは、結婚を機に2009年に事業に参加。以来、妻の晃子さんと二人三脚で「長野園」を経営しています。
和紅茶(国産紅茶)振興を目的とした 和紅茶コンテスト「プレミアムティコンテスト」で、2019年から毎年入賞し、昨年、国内最大級の発酵茶工場を境町に新設しています。
新しいブランドと実店舗
今年4月には、新たなティーブランド「TEAISM」をリリース。自社製品を販売する実店舗も9月17日にリニューアルオープンしました。
店舗は、地元・境町とアルゼンチン共和国の交流の証しに建てられたモンテネグロ会館内のチャレンジショップとして、2020年9月オープン。旧会館の古材を生かした店舗は、建築家の隈研吾さんが設計しています。
リブランディングに伴い、店名も「茶cafe&shop chabaco」から「TEAISM SHOP」に改名しました。
「TEAISM 」と名付けたのは、茨城県にもゆかりの深い、岡倉天心の「The book of tea(茶の本)」にも書かれている、お茶の本質的な部分にこだわりたいからということです。忙しい現代人に、もっと五感を使ってお茶を飲むひと時を大切にしてほしいとの思いも込められています。
取り扱っている茶葉の種類は12種類。お茶の木をイメージしたパッケージは、スタイリッシュでちょっとしたプレゼントにぴったり。お土産用に幾つか組み合わせて購入する方も多いそうです。
さらに、「お茶をもっと飲んでほしい」と、普段使いできる「usual」として和紅茶のティーバック商品(写真:茶色のパッケージ)も用意。年末に「ほうじ茶」「緑茶」もリリースする予定で、今後も随時増えていくとのことです。
日替わりメニューに季節メニュー
メニューは9月から、お茶を主役に一新。紅茶、緑茶、ほうじ茶などを中心に、「本日の水出し茶」なども日替わりで提供しています。
季節メニューもあり、11月からはバターナッツカボチャのペーストと、和紅茶のアールグレイをベースにじっくり煮出した「和紅茶のチャイ」が楽しめます。
中でも一押しは、緑茶・ほうじ茶・紅茶が楽しめる「利き茶セット」。左の緑茶から飲むのがおススメで、茶葉は一緒ですが、その味の変化も楽しめます。お茶の説明カードは、持ち帰ることができるので、次回購入する際の目安にもなります。
ごはん物は、地場野菜のせいろ蒸しと土鍋炊きご飯が好評です。地元野菜はレジ前でも販売しています。
女性に人気、贅沢あんみつ
女性に人気なのが「名物 お茶屋の贅沢あんみつ」 。自家製あんこ、季節の果物(この日は柿)、自家製寒天、本日のお茶(この日は若草)がセットになっています。お茶アイスは、緑茶、紅茶、ほうじ茶から選択します。この日は、ほうじ茶アイスをいただきました。
ほうじ茶のアイスは甘さ控えめで、季節の果物との相性ばっちり。あっという間に完食してしまいました。優しい甘さに、温かいお茶。それだけで至福の時間が流れます。
東京都や神奈川県など茨城県外からも通うお客さんもいるそうで、店頭に花水さんが立つ日は、お茶の説明を受けることもできます。
「男性が家族にお茶をいれてあげることを当たり前にしたい」と花水さん。お父さんたち向けのお茶のワークショップなども計画中だそうです。
店内には洗練されたおしゃれな雰囲気が漂い。お茶グッズやお茶関連本もたくさん並んでいます。忙しさを忘れて、お茶を飲みながらゆったり過ごしてみてはいかがでしょうか。
所在地:茨城県猿島郡上小橋446-4(モンテネグロ会館)
営業時間:午前11時~午後5時 (ラストオーダー16時30分)
定休日: 日・月曜
電話番号:050-3138-2885
インスタグラム:https://www.instagram.com/teaism_official/