近代日本画の巨匠で茨城県水戸市出身の日本画家、横山大観(1868~1958)の作品を紹介する「近代日本画の巨匠-横山大観展」が、同県筑西市大塚の廣澤美術館で開かれています。
第1回文化勲章を受章し、世間で評価され始めた頃から晩年までの作品を展示しています。日の出や雪景色、雲海など、多彩な富士山の情景を描いた日本画やびょうぶを中心に約30点に上っています。
富士山中心に30点
廣澤美術館によりますと、大観は1920年ごろから富士山を描き始めました。力を入れるようになったのは40年ごろということです。
第2次世界大戦が始まった影響から、絵を描くことで国に報いる「彩管報国」の精神で作品制作に取り組むようになり、日本の象徴として富士山を描いていたといいます。
作品の売り上げを寄付し、軍用機を献納したこともあったとされています。
縁起のいい、三隻のびょうぶ絵「不二山」
今回の展覧会で特に目を引くのは、三隻のびょうぶ絵「不二山」。それぞれのびょうぶに、雲から垣間見える雪がかった富士山、飛び立つ鶴、松といった縁起物が淡い色調で描かれています。
他にも、白い雪野原の背景にそびえる群青の富士山を表した「秋」、富士山と日の出を神々しく表現した「神國日本」などが並びます。
福嶋達也副館長(37)は「富士山や朝日、松竹梅など縁起のいい作品を集めました。さまざまな富士山の作品があるので、描き方の違いを見ていただきたい」と呼びかけています。
前期と後期に分けて開催し、前期は来年1月26日まで。後期では、びょうぶ絵など複数の初公開作品の展示を検討しているということです。
会期:前期は2026年1月26日まで。後期は1月30日~4月6日
会場:廣澤美術館(茨城県筑西市大塚599-1)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
休館日:月曜日(年始は1月2日から。1月13日は開館、14日休館)
電話:0296-45-6228
ホームページ:https://www.shimodate.jp/news/20241113.html