とりぷれライター小波来さん一家の全面協力で完成した「しもつかれ」(以下、「すみつかれ」に統一します)。撮影のお手伝いをした筆者もお土産に頂きました。猫パンチさんの記事の通り、辛口の日本酒に非常に合い、おいしく味わっていました。
しかし1つ問題が。小波来さんのお母さまに「冷蔵庫なら1週間は保存できますよ」と言われていたのですが、筆者の消費ペースでは食べ切れそうにありません。また、冷凍するとそのまま忘れてしまいそうです。
何とか冷蔵の状態でおいしいうちに食べ切れないかと考え、アレンジレシピを考えてみました。
オン・クリームチーズ(調理技術:★☆☆ すみつかれ度:★★☆)
手軽にすみつかれを「味変」させられます。市販のクリームチーズ(四角く個包装されたもの)の上に載せるだけ! すみつかれのみだと日本酒を合わせるのが定番ですが、クリームチーズを添えることで、日本酒だけでなくワインやビールにも合うつまみになります。
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すみつかれ オン・クリームチーズ
クリームリーズの酸味とすみつかれの酸味が程よくマッチし、風味が増します。豆やサケの味が時折顔を出し、アクセントになっています。そのまま食べるのに抵抗のある方でも、格段に食べやすくなります。
お好み焼き(調理技術:★★☆ すみつかれ度:★☆☆)
市販のお好み焼きセットがあったので、キャベツの代わりにすみつかれをおたま1杯分入れて種と混ぜ、後は普通のお好み焼きと同じように焼いてみました。2枚作ることができたので、1枚はソース、マヨネーズをかけたお好み焼き風、2枚目はポン酢でチヂミ風にしてみました。
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すみつかれのお好み焼き。調理中です
焼く時に生地を押さえないようにしてみました。すみつかれに米酢が入っているためでしょうか、普通のお好み焼きよりも大きく膨らみ、おいしそうに焼き上がりました。
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すみつかれのお好み焼き。左がお好み焼き風、右がチヂミ風
食べてみると、表面はカリカリ、中はモチモチで、すみつかれのほのかな甘みが感じられます。加熱したことで酒粕の匂いが無くなり、より食べやすくなります。しっかり火を入れたためか、サケを生臭く感じることもなくなりました。ビールが進む一品でした。
ポテトサラダ(調理技術:★★☆ すみつかれ度:★☆☆)
以前、わさび漬けを混ぜたポテトサラダを作ったことがあり、思いついた品です。わさび漬けもすみつかれも酒粕を使っているので、相性が良いのではと考えました。
新ジャガイモ3個をレンジで加熱、皮をむいてつぶし、バターを混ぜます。そこに、すみつかれをおたま1杯分投入、少し多めにマヨネーズを入れ、塩こしょうを加えて混ぜます。調味料はお好みで調整してください。
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すみつかれ入りポテトサラダ
ねっとりしたジャガイモの甘さと、すみつかれの酒粕の香りがマッチしていします。すみつかれに入っているニンジンが彩りのアクセントとなり、見た目も美しく仕上がりました。すみつかれ自体の持つ酸味とマヨネーズがいい感じに調和し、非常に食べやすくなりました。もちろん、酒のつまみとしても楽しめます。
キッシュ(調理技術:★★★ すみつかれ度:★☆☆)
筆者はこれまで、キッシュを作った経験がありません。パイ生地やオーブンを使うので少し敷居が高いかもと思っていましたが、意外に簡単に作ることができました。
今回はキッシュ用ではなく、少し底が浅いタルト用の型を使いました。取り出しやすいよう、型に打ち粉をしておきます。市販の冷凍パイ生地を解凍して型に貼り付け、冷蔵庫で冷やします。パイ生地は薄い方がいいようです。
冷やす間に具材を用意します。フライパンにバターとおたま2杯半のすみつかれを入れ、水気を飛ばします。
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すみつかれをバターで炒め、水分を飛ばします
火を通したすみつかれを、冷蔵庫から取り出したパイ生地の底に薄く伸ばして敷き詰めます。
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炒めたすみつかれをパイ生地に薄く敷き詰めます
次に、すみつかれを覆い隠すようにピザ用チーズをのせます。
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すみつかれの上にピザ用チーズをのせていきます
続いて生クリーム(1/2カップ)、卵2個を混ぜたものを注ぎます。
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卵と生クリームを混ぜたものを注ぎます
200度に予熱したオーブンで20分焼きます。
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200度に余熱したオーブンに入れます。ドキドキの20分の始まりです
10分ほどすると、オーブンからいい香りが漂い始めました。焦げないかとドキドキの20分が過ぎ、オーブンを開けてみます。お好み焼き同様に表面が膨らんでいますが、中まで火が通り、チーズの風味が鼻をくすぐるキッシュと対面できました。
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ドキドキの20分後、こんがり焼けたキッシュとご対面です
そのまま食べたいところですが、型から取り出して12時間ほど冷蔵庫で冷やし、味を馴染ませます。
翌朝、食べやすい大きさにカットしたら、トースターで軽く温め、出来上がりです。
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完成したキッシュ。底の部分にすみつかれの層がわずかに見えます
断面の底付近にすみつかれの痕跡がわずかに残っています。フォークで刺すと、サクッとした感触が手に伝わってきました。一口食べると、パイ生地、チーズの香ばしい味の中に、かすかにすみつかれの甘さが感じられます。言われなければ、すみつかれが入っているとは思わないでしょう。
朝食にしてしまったので、残念ながらお酒は飲めませんでしたが、辛口のワインに非常に合うのでは、と思いました。
完食まであとわずか…最後までおいしく食べたい!
今回4種類のアレンジレシピをご紹介しました。現在、筆者の家にはおたま2杯分程度のすみつかれが残っていますが、余裕で賞味期限内に完食できそうです。
とはいえ、最後はアレンジせず伝統料理に敬意を表して、「すみつかれ」として食べ切りたいと思っています。
最後に、小波来さん、お母さまはじめ、調理にご協力いただいた皆さまにお礼申し上げます。ごちそうさまでした!