茨城県古河市山田地区の「東の門西の門城跡」の発掘調査を紹介する「発掘された古河」展が同市仁連の三和資料館で開かれています。県内では出土例が少ない奈良、平安時代の貨幣「皇朝十二銭」などの貴重な資料が展示されています。

三和資料館=古河市仁連
茨城県の土地改良事業に伴い、古河市教育委員会が2019年から25年3月まで7次にわたって調査を進めてきました。市教委によりますと、遺跡の名前は地元の小字にちなみ、「山田城」という城館の言い伝えもあります。
これまでの調査で弥生時代から中世までの長い時代にわたる集落・城館跡と分かりました。旧石器時代の石器をはじめ、土師器や須恵器、陶磁器、金属製品など、さまざまな遺物が出土しています。遺跡名に関係すると思われる堀の跡も確認されました。

発掘時のパネル写真と一緒に展示される土師器

文字が書かれた須恵器
出土品の中でも珍しいのが、皇朝十二銭のうち平安時代の818(弘仁9)年から鋳造された「富寿神宝」で、遺跡から2枚見つかりました。学芸員の峯照男さんは「畿内を中心に流通した貨幣で、地域の歴史や文化を考える上で重要な手がかりになる」と話しています。

隆平永宝(左)と富寿神宝
会期:2025年6月1日(日)まで
会場:三和資料館(茨城県古河市仁連2042-1)
開館時間:午前10時~午後6時※5月7、12、19、26、30日は休館
入館料:無料
電話:0280-75-1511
ホームページ:https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/soshiki/8/18768.html