古河歴史博物館外観=古河市中央町 古河市
古河歴史博物館外観=古河市中央町

古河市中心部の3美術館、博物館を一気見! 篆刻美術館、街角美術館、歴史博物館を巡ってみました



今回は、茨城県古河市の中心部にある篆刻てんこく美術館、古河街角美術館、古河歴史博物館にお邪魔しました。それぞれ場所が近く、JR古河駅から徒歩で巡っても、それほど移動に時間はかかりません。まずは篆刻美術館からスタートです。

日本初の篆刻専門美術館

古河市中央町の篆刻美術館は、1920(大正9)年に建てられた商家の石蔵を改修したもの。1998(平成10)年には、国の登録有形文化財に登録されています。重厚な外観がひときわ目を引きます。

石蔵を改修した篆刻美術館外観=古河市中央町

石蔵を改修した篆刻美術館外観=古河市中央町

篆刻とは、篆書体てんしょたいという独特の書体で印章を彫ること、そして彫った印面に印泥をつけて紙に押した印影と印章本体を鑑賞する芸術のことを言います。絵画や書に押す落款らっかん印や蔵書印もその一種です。

同館は1991(平成3)年に開館した、日本で唯一篆刻を専門に展示している美術館です。日本篆刻界を代表する同市出身の篆刻家生井いくい子華しか(1904~1989)の作品を中心に、著名な篆刻家の作品を多数、収集・展示しています。

篆刻美術館の生井子華作品の展示コーナー=古河市中央町

篆刻美術館の生井子華作品の展示コーナー=古河市中央町

テーマ展は年6回ほど開催されており、現在は「第17回許我こが篆書展」が6月23日まで行われています。許我とは、古河の古い表記で、奈良時代に編さんされた万葉集の東歌あずまうたにも記されています。

展示作品は、古河市にゆかりの深い語句がテーマとなっており、今回は古河市出身の作家永井路子(1925~2023)の代表作「炎環」「氷輪」をテーマに、全国の著名書家35人が篆書体の作品を出品しています。同じ字でも一人ひとり違いがあり、書家がどのような思いで作品を仕上げたか、思いをはせることができます。

第17回許我篆書展=古河市中央町

第17回許我篆書展=古河市中央町

ほかにも現代篆刻家の作品や、封泥ふうでい(古代中国で貴重品を収めた箱や竹簡、木簡文書の封緘ふうかんに用いた粘土の塊)、篆刻に用いる石の印材も見ることができます。

陶文片や篆刻に使用される石の展示=古河市中央町

陶文片などの展示=古河市中央町

かわいすぎるキャラクター、刻狸ちゃん!

そして、篆刻美術館のかわいいキャラクター、刻狸こくりちゃんの紹介を忘れてはいけません。2010年から開催され、全国の博物館のキャラクター日本一を決める「ミュージアム キャラクター アワード2023」で見事第1位に輝きました。前年は初めてのエントリーで4位となり、新人賞にも輝いています。篆刻美術館には表彰盾も展示されていました。

篆刻美術館に展示されている刻狸ちゃん表彰盾=古河市中央町

篆刻美術館に展示されている刻狸ちゃん表彰盾=古河市中央町

刻狸ちゃんをデザインしたのは、同館スタッフの田宮なつみさん(36)。篆刻美術館が開館する前から敷地内にあった、タヌキの像をもとにデザインしたそうです。刻狸ちゃんの名前は、篆刻の「刻(こく)」と「狸(たぬき・り)」をかけ合わせたもので、篆刻の判子を押すときの擬音が「ポン」で、タヌキがお腹を叩く音を連想させることにも由来しているとか。

刻狸ちゃんをデザインした田宮なつみさん=古河市中央町

刻狸ちゃんをデザインした田宮なつみさん=古河市中央町

もともと趣味でイラストを書いていた田宮さん。コロナ禍の際には施設が休館した時期があり、その時には、疫病退散祈願のためアマビエちゃんのイラストを描いたそうです。館内に置いておいたところ、お客様から欲しいという声があり、グッズ化が決定、現在では古河市内の5施設で缶バッチが販売されています。

グッズのアマビエ缶バッチ=古河市中央町

グッズのアマビエ缶バッチ=古河市中央町

アマビエ疫病退散バッチは、コロナ期に好評だったそうです。このバッチを購入して、皆で疫病退散です! 私も早速、購入しました。

刻狸ちゃんグッズももちろん販売されていますよ。詳しくはこちら。

篆刻美術館
住所:茨城県古河市中央町二丁目4番18号
開館時間:午前9時~午後5時(最終入館 午後4時半まで)
電話番号:0280(22)5611
入館料:一般200円、小中高生50円
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日、年末年始など)
ホームページ:https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/soshiki/tenkoku/top.html

市民もギャラリーとして利用できる古河街角美術館

続いて、篆刻美術館のすぐそばにある、古河街角美術館に移動します!

古河街角美術館外観=古河市中央町

古河街角美術館外観=古河市中央町

古河街角美術館は、古河市ゆかりの作家を中心とした優れた美術作品の鑑賞の場として、1995(平成7)年に開館しました。現在は「古河市ゆかりの作家たち」が6月23日まで開催されています。いずれも古河市にゆかりの洋画家、飯田政市(1922~1971)、彫刻家、木津一夫(1924~2009)、日本画家、福田謙二郎(1935~2006)らの作品が展示されていました。

「古河市ゆかりの作家たち」の展示=古河市中央町

「古河市ゆかりの作家たち」の展示=古河市中央町

同館の2階は、市民ギャラリーとなっており、1室1日5080円から借りることができます。発表する場を確保することが難しい方も、気軽に展覧会などを開催できます。こうした場所があるのも、古河市に芸術活動をする人が多いからなのでしょう。活動を応援して心強く魅力的な場所ですね!

古河街角美術館
住所:茨城県古河市中央町2丁目6番60号
開館時間:午前9時から午後5時(入館は4時30分まで)
電話番号:0280-22-5911
休館日:月曜日、国民の祝日の翌日、第4金曜日、年末年始、そのほか臨時開館・休館日あり
入館料:無料
ホームページ:https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/soshiki/machikado/top.html

多数の重要文化財を展示する、古河歴史博物館

続いて、古河市中央町の古河歴史博物館に移動します。篆刻美術館、古河街角美術館から歩いて10分ほどで到着します。途中に案内看板がいくつもあるので、初めて行く人でも安心です。

古河歴史博物館外観=古河市中央町

古河歴史博物館外観=古河市中央町

古河歴史博物館は、多くの人に古河の歴史を親しんでもらい、資料を未来の人に活用してもらうことを目的に、1990(平成2)に古河城出城跡に開館しました。建物は建築家の吉田桂二さんの設計で、1992年に日本建築学会賞、1996年に公共建築賞を受賞しています。

古河は江戸時代の蘭学者、鷹見泉石たかみせんせき(1785~1858)が晩年を過ごした地としても知られています。古河藩家老として藩主土井利位としつらに仕え、利位が大城城代の時に起こった「大塩平八郎の乱」では、乱の鎮圧を指揮するなど、大きな功績を挙げました。優れた蘭学者でもあり、数多くの研究資料の収集にあたりました。

館内の展示室1では「情報ハイウェイ〜鷹見泉石の情報収集〜」が6月26日まで開かれています。同館に保存されている鷹見家資料3153点は、2004(平成16)年に重要文化財に指定されています。なるべく多くのものを見てほしいという思いから、テーマを変えながら2ヶ月おきに展示変えをしています。

「情報ハイウェイ〜鷹見泉石の情報収集〜」の展示=古河市中央町

「情報ハイウェイ〜鷹見泉石の情報収集〜」の展示=古河市中央町

展示室2では「古河の歴史」6月26日まで行われています。模型やレプリカなど置かれていて、古代から現代までの古河の通史が見れるようになっています。

「古河の歴史」の展示=古河市中央町

「古河の歴史」の展示=古河市中央町

展示室3では、「水の音〜古河の文人たち〜」が6月26日まで行われています。絵画や漢詩の中に散りばめられた水音を表現した作品が展示されており、いずれも古河市出身の女流南画家の奥原晴湖(1937〜1913)や、幕末から明治時代にかけて活躍した画家で浮世絵師の河鍋暁斎(1831〜1889)らの作品も見ることができます。こちらも2ヶ月ごとに内容が変わります。

「水の音〜古河の文人たち〜」の展示=古河市中央町

「水の音〜古河の文人たち〜」の展示=古河市中央町

また、展示室外には、鷹見泉石が蘭学に関係していることから、オランダの楽器である、ストリートオルガンが置いてあります。一般の歴史博物館とは違った、明るい雰囲気が感じられました!

きらびやかなストリートオルガン=古河市中央町

きらびやかなストリートオルガン=古河市中央町

古河歴史博物館
住所:茨城県古河市中央町3丁目10番56号
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
電話番号:0280-22-5211
休館日:月曜日、国民の祝日の翌日、年末年始、館内整理日(毎月第4金曜日)
入館料:一般400円(団体20名以上 300円)、小中高生  100円
ホームページ:https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/soshiki/rekihaku/top.html

3館を巡って、古河には素敵な芸術家がたくさんいることを知りました。これからもさらに、たくさんの芸術家を知りたくなりました。篆刻美術館、古河歴史博物館、そして今回お邪魔しませんでしたが、古河文学館の三館共通券(600円)もあるので、皆さんもぜひ、自分のお気に入りの作品や作家を、探しに行ってみてください!


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