たいまつに火を移す、「かったて祭り」の参加者ら=2021年8月31日午後6時半ごろ、桜川市真壁町山尾 地域別
たいまつに火を移す、「かったて祭り」の参加者ら=2021年8月31日午後6時半ごろ、桜川市真壁町山尾

山を照らすたいまつの明かり 8月31日「かったて祭り」 茨城・桜川の五所駒瀧神社と権現山 豊穣や安全祈る



茨城県桜川市山尾にある五所駒瀧ごしょこまがたき神社の神事で、権現山の富士浅間せんげん神社に氏子らが神火を奉納し五穀豊穣ほうじょうなどを祈る「かったて祭り」が、8月31日夕から行われます。

「かったて」は、火をかきたてる、たいまつで山をたき上げるなどの意味があるとされています。山に連なるたいまつの明かりは、桜川市真壁地区に夏の終わりを告げる風物詩です。誰でも参加できますが、たいまつの数に限りがあるので、懐中電灯を持参してください。駐車場は、神社近くの桜川市真壁福祉センターが利用できます。

たいまつをかざす「かったて祭り」の参加者=2022年8月31日、桜川市真壁町山尾の五所駒瀧神社

たいまつをかざす「かったて祭り」の参加者=2022年8月31日、桜川市真壁町山尾の五所駒瀧神社

「かったて祭り」の起源は分かっていませんが、平安時代に平将門たいらのまさかどと伯父の平良兼たいらのよしかねが戦った「承平じょうへいの乱」(937年)の、羽鳥・弓袋(湯袋)の戦いと言われています。将門に羽鳥の館を攻められ、権現山に近い湯袋山中に逃げ込んだ良兼を、将門はたいまつを持って追い、山狩りしました。これが起源であるという伝説が五所駒瀧神社に残っているということです。山尾地区の氏子を中心に古くから行われてきました。

「二百十日」の前日、8月31日の夕方に氏子らが五所駒瀧神社を参拝し、火切りで起こした神火を神前に奉納します。その神火を手作りのたいまつに移し、真壁富士と呼ばれる権現山に登ります。山頂(397メートル)に富士浅間神社が鎮座していますが、中腹にたいまつを奉納して五穀豊穣や家内安全、商売繁盛などを祈願します。

たいまつを抱えて山を登る参加者たち=2019年8月31日、桜川市真壁町山尾

たいまつを抱えて山を登る参加者たち=2019年8月31日、桜川市真壁町山尾

祭り当日は午後5時半に五所駒瀧神社に集合。午後6時に神事が始まり、午後6時半に点火、登山開始となります。登山にかかる時間は20分ほどです。午後7時過ぎに奉納花火が上がります。雨天決行です。

参加を希望する方は、山に登ることができる服装で。また、下山時はたいまつがないため、懐中電灯など足元を照らせるものが必要になります。虫よけスプレーもあった方がいいでしょう。

祭りに関する桜川市観光協会のホームページはこちら

五所駒瀧神社
鎮座地:茨城県桜川市山尾499
電話:0296-55-1487

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