歴史イベント「結城家物語~乗国寺ライトアップ」で幻想的に浮かび上がる乗国寺(茨城県結城市結城)は、イベント期間中の平日夜(9~13日午後6時から)に、座禅体験会(無料)を開いています。煩悩の塊である筆者も参加してみました。
12月9日午後6時前、結城市結城の乗国寺境内で親子らが、ライトアップやプロジェクションマッピングを楽しんでいます。それを横目で見ながら、本堂に入り、座禅堂に向かいます。
座禅堂では既に、僧侶の方お2人が座禅を組んでいます。この日の一般参加者は筆者を含め6人。うち初心者は筆者ら4人でした。
初心者にも分かりやすく
最初に、乗国寺の僧侶鈴木大仙さんが、曹洞宗の座禅作法を丁寧に説明してくれます。
壁に向かって合掌一礼し、右回りで後ろを向いてさらに合掌一礼、さらに右回りして壁に向かい、坐蒲という座禅用座布団を押して、座りやすいように形を整えます。
続いて、壁に背を向けて坐蒲に座ります。足の組み方は、右足を左太ももの上に深く乗せ、次に左脚を右ふと友もの上に乗せる「結跏趺坐」、それよりやさしい組み方で、右脚を左太ももの下に深く入れ、左足を右太ももの上に深く乗せる「半跏趺坐」があります。
さらに、どちらも難しいという人には、ヨガのポーズにもあり両ひざとお尻の3点を畳に着ける「安楽座」という座り方もあります。
で、やってみると、結跏趺坐は最初から諦めていましたが、以前にできた半跏趺坐ができません。さらに、加齢で股関節の柔軟性が失われたことと、伸縮性のないスラックスのせいで安楽座すら組めず、右隣りに座ったベテランの男性に苦笑されてしまいました。
壁に向かって安楽座もどきの組み方で座り、右手を左足の上に乗せ、その上に左手を乗せて両手の親指を軽く合わる「法界定印」という印を組んで、目は開いたまま斜め下45度くらいに視線を落とします。
いろいろ突っ込まれどころはありながらも、「カン、カン、カン」とかねが3回鳴って座禅が始まりました。
電灯の照度が落ちて薄暗くなり、暖房の「シュー」という動作音以外は静寂に包まれます。
雑念が浮かび、集中できませんが…
目の前に壁があるため視線の置き場所が難しく、足の組み方も悪いことから腰と膝がすぐに痛くなってきます。そして次から次に雑念が浮かんできて、なかなか集中できません。
事前の説明の中で、座禅中は鼻からゆっくり息を吸い込む腹式呼吸が基本であると言われたことを思い出し、へその周辺を意識しながら丁寧な呼吸を心がけていると、少し落ち着いてきて、何か癒やされるような気持ちになってきました。
すると、突然「カン、カン」と木の板が鳴らされ、びくっとします。座禅が終了に近づいていることを知らせるためのものです。そしてかねが鳴って終了。作法に従って組んでいた足を解き、合掌一礼を繰り返します。長かった気がしましたが、わずか15分でした。
「身を調え、息を調え、心を調える」ことが目的の座禅。姿勢が悪く、身も心もあまり整えられませんでしたが、それなりの爽快感に包まれながら、座禅堂、そして本堂を出ます。
乗国寺は今回の体験座禅会のほかに、毎週日曜日午前7時から、日曜参禅会(約45分)を開催しています。予約不要、無料です。
鈴木さんは「座禅と聞くと身構えてしまう方がいらっしゃいますが、座禅は日常にあるもの。気軽に体験していただきたい」と、参加を呼び掛けます。
乗国寺のように、参禅会を開いている寺院が近くにあれば、月に1度くらいは通ってみたいと思いました。
「結城家物語~ライトアップ」は14日まで
結城地方を約400年にわたり治めた結城家の後期を題材にした歴史イベント「結城家物語~乗国寺ライトアップ」は12月14日まで開催中です。
所在地:茨城県結城市結城3073
電話番号:0296-33-3270
ホームページ:http://m-jyoukokuji.or.jp/
https://www.city.yuki.lg.jp/kankou/event/yuukike/page007775.html
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