文化勲章を受章した茨城県筑西市出身の陶芸家、板谷波山(1872~1963年)を顕彰する板谷波山記念館(同市甲)で、所蔵品展「波山陶芸の魅力を探る~青磁と白磁~」が開かれています。「陶聖」と呼ばれた波山が手がけた青磁や白磁の香炉、花瓶など31点がそろい、シンプルで清らかな焼き物から崇高な作風を堪能することができます。7月21日まで。

板谷波山記念館=筑西市甲
2024年9月に始まった10回シリーズで、今回が3回目になります。波山が生涯で最も多く手がけたという青磁や、透明釉や不透明釉を使った多彩な表現が見られる白磁を中心に展示しています。
青磁の「青磁袴腰香炉」は南宋時代の中国で上質な青磁を生産した龍泉窯の古陶磁をモデルにした作品で、透き通るように淡い青色の釉薬が輝きます。白磁の「葆光白磁唐草花瓶」は薄絹で覆ったようなマットな質感が目を引き、「氷華磁牡丹文水差」は鉄分を含む透明釉を酸素が乏しい状態で焼成させ、青みがかった仕上がりになっています。
波山が日中戦争の戦没者遺族に贈った白磁の香炉や観音像、波山が出来栄えなどに満足せずたたき割った作品の破片を復元したものもあります。同館学芸員の滝原梨生さん(26)は「中国の古陶磁を研究したり、いろいろな釉薬を作ったりしていた。波山の研究熱心さが伝わる」と話していました。
7月12日(土)午前11時からギャラリートークが予定されています(30分程度、要入館券)。
会期:2025年7月21日(月・祝)まで※7月7、14日休館
会場:板谷波山記念館(茨城県筑西市甲866-1)
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時半まで)
入館料:一般210円、高校生以下無料
電話: 0296-25-3830
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