茨城県外から来た方に県内をご案内していると、「あのコンビニ見たことないけど何?」と尋ねられることが多々あります。他県の方にはなじみのないコンビニ「セイコーマート」を見たときの反応です。とりぷれは以前、群馬県にしかないコンビニ「さくらみくら」の記事を配信しましたが、今回は茨城県のとりぷれエリアにも出店しているセイコーマートの楽しみ方をお伝えします。
セイコーマートってどんなコンビニ?
セイコーマートは1971(昭和46)年8月、1号店が北海道札幌市で開店して以降、今年3月末現在で、北海道1092店、茨城88店、埼玉9店の計1189店を展開しています。現存するコンビニチェーンの中で最も古くから営業しており、北海道で最も店舗数が多いことで知られています。北海道でコンビニといえば「セイコーマート」なのです。店舗数の多い北海道民や茨城県民には「セコマ」の略称で呼ばれています。
では、北海道以外の茨城、埼玉になぜセイコーマートがあるのでしょうか。同社によると、酒卸の取引先だった酒店や食料品店を近代化するために、コンビニ事業を開始したそうです。1980年代に地域の卸がチェーン本部となり、埼玉(1987年)と茨城(1988年)にもセイコーマートが展開されるようになったそうです。その後、2000年までに北海道の本部の加盟店として経営を引き継ぎ、現在に至っています。
また、茨城には同社グループの農業法人もあり、茨城で収穫された野菜や本州で製造された商品などを商品配送帰りのトラックに積み、冬に野菜が生産できない北海道で販売しています。茨城では広い駐車場を持った店舗を出しやすく、郊外型の店舗も多いとのこと。最近では道の駅グランテラス筑西や茨城空港、水戸市の水戸市民会館など公共施設内への出店も増えています。
弁当は出来立てホカホカ
セイコーマートの大きな特徴は、店内で調理したお弁当などを提供する「HOT CHEF(ホットシェフ)」です。カツ丼(本体価格560円)に代表される弁当やおにぎりは、いずれも量が多め。しかも出来たてホカホカです。
HOT SHEFはスナック類も充実しており、カップ入りのフライドチキン(本体価格298円)は特に絶品です。冷凍したものを加熱するのではなく店内で調理しているため、非常にジューシー。つい購入してしまいます。
ひと味違う、カップ焼きそば
店内には、セイコーマートならではの北海道定番商品も数多く並びます。中でも東洋水産の「やきそば弁当」(本体価格226円)は、パッケージに「北海道限定」と大書された人気商品。なぜ「弁当」かというと、湯切りするお湯を付属の粉末スープに入れることで、スープが作れるためです。濃いめのソースと多めのキャベツで食べごたえがあります。
焼きそば弁当のお供に欠かせないのが、北海道定番の炭酸飲料「ガラナ」(本体価格120円)です。コーラのような見かけで、少し独特の香りがします。好みは分かれますが、スッキリした甘みで、爽やかな味わいです。
涙なしには食べられない
もう一つ、筆者が必ずセイコーマートに行くと買うが「山わさび塩ラーメン」(本体価格135円)です。こちらは同社のプライベートブランドのカップラーメン。お湯を入れて3分、フタを開けると「ツン」どころではない、山わさびの香りが漂います。食べる時、勢いよくすすると必ずむせるので要注意。慣れるまでは汗だけでなく涙も流れるかもしれません。
こう書くと、罰ゲームに使われるようなアイテムと思われるかもしれませんが、そうではありません。カップラーメンとして非常に美味しく仕上がっています。辛さが特徴のカップラーメンの多くは唐辛子系の辛さですが、わさび系の辛さのラーメンはあまり見かけません。塩ラーメンがお好きな方なら、ぜひお試しください。山わさびの爽やかな辛さが癖になり、また食べたくなります。山わさびのカップ焼きそばもありますので、そちらも併せてトライしてください。
セイコーマートは身近な「北海道」
セイコーマート店内には、北海道ならではの商品がどの棚にも並んでいます。酒類コーナーには北海道産のワインやビール、日本酒が充実しており、左党にはたまりません。アイスの並ぶ冷凍庫も、他店では見かけない品ぞろえです。
実際にセイコーマートで買い物をしないと分からないサービスもあります。2020年からコンビニでもレジ袋が有料化されましたが、セイコーマートでは現在でも無料になっています。
経済産業省の「プラスチック製買物袋有料化制度」では、「バイオマス素材の配合率が25%以上のもの」を有料化の対象外としています。セイコーマートのレジ袋はそれに該当するため、無料配布が続いています。セイコーマートは、有料化の時期や価格について今後慎重に検討するとしています。
駆け足でセイコーマートの魅力をご紹介しました。茨城県のとりぷれエリアにはセイコーマートが13店舗あります。栃木、群馬県から比較的利用しやすいのは、「グランテラス筑西店」、「筑西舟生店」(筑西市)、古河駒羽根店(古河市)、さらに「加須向川岸店」(埼玉県加須市)です。
セイコーマートで「身近な北海道」をぜひ体感してください。