私たちの週末に彩りを与えてくれる地域のお祭りやイベント。栃木県小山市の白鷗大学には、そうした場で“縁の下の力持ち”として活躍してくれるサークルがあります。地域協力ボランティア同好会「UN-UNI」(あんゆに)の皆さんに、活動内容や思いをお聞きしました。
多様な組織とつながる
UN-UNIは結成11年目を迎える白鷗大学の学内サークルです。今年度のメンバーは1年生から3年生まで約80人が在籍しています。
UN-UNIという名称の由来は、ユニット(Unit)=単一ではないという意味から。「多様な組織とつながる」という地域貢献への思いが込められています。
ベースとなる活動は、サークル内で「彩り」と呼ばれる毎週水曜日のごみ拾いです。大行寺キャンパス周辺で、暑い夏の日も寒い冬の日も、地道に街をきれいにしてくれています。
学外での活動が多いことも特徴です。月1~2回のペースで、小山市内などで開催される「おやま思川アユ祭り」「市民討議会」など、さまざまなイベントにボランティアで参加しています。
なので、学生さんたちを「見たことがある」という方もいるのでは。サークル長の野尻玲央さんは「地域を盛り上げる活動に関われることに喜びを感じています」と話します。
地域に欠かせない存在に
5月25日には、小山総合公園で開催された「ピクニックマルシェ」にメンバー7人が駆け付け、会場の設営や搬出、本部での案内などを務めました。
ピクニックマルシェの運営を手伝うようになったのは昨年8月のロブレでのイベントから。メンバー2人が参加したことをきっかけに、縁が続いているといいます。
毎回多くの人が来場する人気イベントですが、運営は市民主体のため、人手を確保するのには苦労があります。ピクニックマルシェ実行委員長の小林千恵さんは「自分たちで気付いて動いてくれるので本当にありがたいです」と感謝します。
2回、3回と会場でボランティアをするようになると、出店者さんとも自然にコミュニケーションが生まれます。あいさつをしたり、準備に手を貸したり。「気持ちよく出店できる」と出店者さんからも好評です。
イベント主催者、出店者、来場者…。地域の多様な人たちとの関わりに、広報部長の池上蒼生さんは「普通に大学生活を送っていたらできない、貴重な経験をさせてもらっています」と実感しています。
卒業しても小山に関わりたい
メンバーの出身地は栃木県内だけでなく、近隣の茨城県、群馬県、あるいは東北地方などさまざまですが、活動を通して“ホーム”ともいえる小山市への思いも強くなっています。
福島県郡山市出身の野尻さんは、入学当初「何もない」と思っていた小山の印象が変わったといいます。「イベントもあって、活動的でかっこいい大人の人たちもいる。卒業しても関わりを持ち続けていきたいです」と明かします。
将来を思い描くうえでも、ボランティアの経験がプラスになっています。経理担当の田村友花さんは栃木市出身。「もともと地元で働きたいとは思っていましたが、地域に貢献したいという思いがより強くなりました」と言います。
限りある学生生活を楽しみながら、地域の一員として活躍してくれているUN-UNIのみなさん。今度、イベントで見かけたら「ありがとう」と声をかけてみませんか。