これから春を迎えると、新生活の準備で訪れる機会が多くなるのが家電量販店。この店しか行かないという人もいれば、毎回値段を見比べているという人もいるのではないでしょうか。
家電量販店をめぐって、かつて「北関東YKK戦争」という言葉がありました。北関東各県に本社を置くヤマダ電機(群馬県)、ケーズデンキ(茨城県)、コジマ(栃木県)のアルファベット頭文字が由来で、それほど3社の覇権争いは激しいものでした。
では、現在はどうでしょうか。茨城、栃木、群馬3県境にまたがる<とりぷれエリア>で、家電量販店の出店状況を調べてみました。
やはり地元で強いヤマダ&ケーズ
まずは群馬県を見てみましょう。店舗数日本一とされるヤマダ電機のお膝元。とりぷれエリアの最大都市である太田市に2店舗(アウトレット店含む)を構え、館林市と大泉町にも3社で唯一出店しています。
茨城県ではケーズデンキの強さが目立ちます。古河市に2店舗を有し、下妻市と結城市、境町にも店舗網を広げています。
ただ、両県内で唯一、地元勢の店舗数が下回ったのが茨城県筑西市。アウトレット店を含めると2店舗を出店するヤマダ電機が、1店舗にとどまるケーズデンキの牙城を崩しました。
栃木県だけは譲れないコジマ
一方で、栃木県だけは様相が違います。コジマが足利、佐野、栃木、小山の4市に1店舗ずつ出店し、3社の三つ巴状態となっています。
コジマは2012年にビックカメラの子会社となりました。栃木県内の店舗も正式には「コジマ×ビックカメラ」の名称ですが、依然として地元では高い知名度を誇ります。
ちなみに、とりぷれエリア合計の出店数は、ヤマダ電機が12、ケーズデンキが13、コジマが4。全国で店舗数の1、2位を争うヤマダ電機、ケーズデンキがこの先、栃木県南地域で攻勢に出ることがあれば、パワーバランスが変化するかもしれません。
5市では至近距離で距離で激しく火花
3社の店舗所在地を落としたGoogleマイマップをよく見ると、あることに気づきます。ライバル店舗同士が明らかに近い場所がいくつもあるのです。
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- 群馬県みどり市笠懸町阿左美(ヤマダvsケーズ)
- 栃木県足利市朝倉町(ヤマダvsコジマ)
- 栃木県栃木市箱森町(ヤマダvsコジマ)
- 茨城県古河市西牛谷(ヤマダvsケーズ)
- 茨城県筑西市布川(ヤマダvsケーズ)
いずれも国道50号などの幹線道路沿い。人口や交通量が多く、集客が見込めるエリアとなれば、横並びになってでも出店したいということなのでしょうか。
すべてにヤマダ電機が絡んでいるのも興味深いところです。この5市での競争の行方も気になります。
追記:Googleマイマップだと、場所が近いと表示が重なってしまう(今回はヤマダ電機の店舗=青が隠れてしまっています)のが難点ですね…