境町民の記憶つむぐ「物語」 地元出身の現代美術家・光山さん作品展 3月30日まで 映像、写真、民具で表現



作品を解説する光山明さん=境町のS-Gallery粛粲寶美術館 ひと
作品を解説する光山明さん=境町のS-Gallery粛粲寶美術館

茨城県境町出身の現代美術家、光山こうやまさん(57)の作品展「記憶、つむぐ物語」が、同町のS-Gallery粛粲寶しゅくさんぽうな美術館で開かれています。町民へのインタビュー映像をはじめ、古い道具や民具を撮影した映像や写真に実物を組み合わせたインスタレーション作品で、町と共に歩んできた人たちの「物語」に迫ります。会期は3月30日(日)まで。

光山明展のチラシ

光山明展のチラシ

テーマは光山さんの生まれ故郷である「境町の記憶」。展示の中心となっているのが50代から90代までの町民25人に行った16編のインタビュー映像です。全体で約2時間にも及んでいます。

光山さんは「年代も職業も異なる人たちに昔の事を語ってもらい、過去の記憶の中から現在の町の輪郭を表現できないかと考えた」と話しています。語られるテーマは多彩で、自分の仕事や娯楽、戦争や幼少期の遊び、昔あった風景や店の話まで多岐にわたっています。

町歴史民俗資料館の協力も得て、道具や民具の映像や写真と実物を一緒に展示しています。モノに刻まれた「記憶の痕跡」をたどることで、言葉では語り切れない、語られない記憶を表現するのが狙いといいます。

光山さんは「今の境町は、新しい試みにばかり目が向けられがち。町の現在の姿や立ち位置を知るためには、歴史や記憶の中にも確かめるべきことが残っているはず。私自身も制作の過程でいろいろな人や歴史のつながりの中にいると確認できた」と話しています。

3月16日(日)午後2時から、作品へのアプローチの仕方や制作過程を紹介するギャラリートークが開かれます。聞き手は町在住の画家、内海聖史さんです。

光山明展のチラシ

光山明展のチラシ

光山明展「記憶、つむぐ物語」
会期:2025年3月30日(日)まで
会場:S-Gallery粛粲寶美術館(茨城県境町1455-1)※月火曜休館
開館時間:午前10時~正午(入館午前11時半まで)、午後1時15分~5時(入館午後4時半まで)
ホームページ:https://www.town.ibaraki-sakai.lg.jp/page/page003687.html

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