宗派を超えた、12年に一度、巳年だけの霊場巡り「猿島阪東観音開帳」が2025年4月17日(木)まで、茨城県坂東市、境町、古河市、千葉県野田市の寺院など計38カ所で行われています。

「猿島阪東観音開帳」のポスター(万蔵院提供)
この霊場巡りは江戸時代の1725(享保10)年に、今回の札所の事務局になっている万蔵院(茨城県坂東市生子)の第52代住職・雄弁上人(1658~1729年)により始められたと伝わっています。今年、霊場開創300年、節目を迎えました。
次回は12年後の2037年。その時に元気でいられる保証はなく、300年という区切りの年であることもモチベーションになって、霊場巡りに挑戦しました。さすがに徒歩ではなく車での遍路です。茨城とりぷれエリアの札所を中心にその模様をお伝えします。
万蔵院からスタート
札所巡りは、迷った末に、第一番からではなく第十七番の万蔵院からスタートしました。茨城県水戸市から向かうこと、「猿島阪東観音開帳」の事務局であり、38カ所の札所の中で筆者が唯一参詣したことのある寺であることなどを考慮しました。
この日の天気は快晴、強風。スギ花粉が大量に飛散していて、スギ花粉アレルギーの筆者にはつらい環境ですが、午前8時半に万蔵院の山門をくぐりました。
右手に本堂を見ながら、左手にある観音堂に進みます。堂は開帳され、檀家の方々が詰めていて、参拝者に対応しています。観音像に手を合わせ、指定の納経帳(2000円)を買い求めて朱印を押していただきます。朱印は1カ所300円です。

開帳された万蔵院観音堂=坂東市生子
観音堂の手前左に、西遊記の飾り物(人形)が展示されています。こうした展示物はほかの札所にあり、これから何度も「対面」していくことになります。

西遊記の飾り物=坂東市生子
続いて本堂へ。雄弁上人の像にもお参りできるようになっています。

万蔵院の本堂。雄弁上人像も拝観できます
境内には大判焼きや煮イカの露店も出ていて、平日でも縁日の雰囲気を味わうことができます。

境内には大判焼きや煮イカの露天も=坂東市生子
今回の札所巡りに際して、朱印収集のための「スタンプラリー」のようにならないことを念頭に、十句観音経を3回、般若心経を1回、観音様に向けて唱えることをマイルールにしました。ただし、観音堂に檀家の方々が控えておられるとちょっと恥ずかしいですし、お参りの人が後ろに並んでいることもあるので、少し離れた所から唱えてもいいことにしました。
大照院~東光寺~金剛院~慈眼院
続いて訪れたのはとりぷれエリアにある第十五番・大照院(境町伏木)です。「祝 観音開帳」の額が掲げられた紅白のゲートをくぐり、本堂へ真っ直ぐ向かいます。本堂に手を合わせた後に、左手にある観音堂にお参りします。

大照院の門=境町伏木
大照院に限らずあらゆる寺で、開帳されている観音像からひもが伸びていて、それを握ることでご縁を深めることができるそうです。

大照院の観音堂=境町伏木
第十六番・東光寺(坂東市長須)と同じく十六番・金剛院(境町若林)を順調に回り、次に第十四番・慈眼院(境町下小橋)を訪問します。

慈眼院(集落センター)=境町下小橋
こちらは寺というよりは民家か集会所、公民館のようなたたずまいで、地元の方に聞くと集落センターということです。金色に輝く小さな観音像が開帳されていました。

慈眼院の観音像=境町下小橋

猿島阪東観音開帳のパンフレットより大照院、東光寺、金剛院、万蔵院の説明(万蔵院提供)
福寿院~大悲院~吉祥院~香取院
次は、利根川に架かる境大橋を渡って、千葉県野田市にある第一番・福寿院(野田市関宿台町)と第二番・大悲院(同)に参詣します。これからの札所を効率的に回るためです。なぜ茨城県外に札所があるかといいますと、「猿島阪東観音開帳」は下総国で行われたからです。
この日は桜の開花前でしたが、利根川の土手には菜の花が咲いて、黄色いじゅうたんのようです。

菜の花が咲く利根川土手
福寿院と大悲院は徒歩1~2分の近さにありました。
再び境大橋を走り、野田市から境町に戻ります。道の駅さかいに立ち寄り小休止します。

道の駅さかい
道の駅さかいで英気を養い、続いて下り立ったのは第三番・吉祥院(境町新吉町)です。境の市街地にある寺です。山門をくぐり、観音様にごあいさつします。

吉祥院の山門=境町新吉町
像は黒くすすけたような感じになっていて、渋さが感じられます。

吉祥院の観音像=境町新吉町
この日午前のラストは、第四番・香取院(境町塚崎)です。地域の方々に大切に守られているような印象で、昔の農機具などが展示されています。

香取院の境内に展示されていた、昔の農機具など=境町塚崎
山門の前に立つと、檀家の男性でしょうか、「山門は暴れん坊将軍(徳川吉宗)時代のものですよ」と、分かりやすい例えで教えてくれます。小ぢんまりした観音堂はちょうちんなどで飾り付けられ、華やいだ雰囲気が漂います。

香取院の山門=境町塚崎

香取院の観音堂=境町塚崎
境内では甘酒の無料接待があり、ありがたく頂戴しました。

境内で甘酒のお接待がありました=境町塚崎
さらにせんべいもいただき、ほっこりした気持ちで次の札所に向かいます。
※〈下〉に続きます

いただいたせんべいと指定納経帳
開帳期間:2025年4月17日(木)まで
開帳時間:午前8時半~午後5時
問い合わせ:札所会事務局(万蔵院)(電)0280-88-0737(平日午前8時半~午後5時)
ホームページ:https://sashima-bando.jp/