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川妻一色神社の春季例大祭で39年ぶりに披露される「ひょっとこおどり」のチラシ

「ひょっとこおどり」39年ぶり復活へ つくば科学博以来 川妻一色神社例大祭で氏子ら 4月21日、茨城県五霞町



継承者不足から休止状態になっていた、茨城県五霞町川妻の伝統芸能「ひょっとこおどり」が、1985(昭和60)年に茨城県谷田部町(現つくば市)で開催されたつくば科学万博以来、39年ぶりに復活します。五霞町川妻の一色神社で4月21日(日)に、氏子有志らによって披露されることになりました。

一色神社=五霞町川妻。青木大輔さん提供

「ひょっとこおどり」は昭和初期の農閑期に、栃木県間々田町(現小山市)の住民から伝わり、継承されたということです。つくば科学万博期間中の1985(昭和60)年8月23日「五霞村(現五霞町)の日」に会場で演じられたのを最後に、継承者が足りないため休眠状態になっていました。

「五霞村の日」のイベントを伝える1985年8月24日付茨城新聞3面

保管されている、ひょっとこなどの面。青木大輔さん提供

今回、五霞町が「マンガふるさとの偉人 一色神社物語 一色次郎輝季てるすえ」を刊行したのを記念し、4月21日の一色神社春季例で来社する人に配布。併せて氏子らで構成する「ひょっとこおどり実行委員会」のメンバーらが39年ぶりに踊ることになりました。

五霞町が刊行した「マンガふるさとの偉人 一色神社物語 一色次郎輝季」

一色次郎輝季は幸手城主・一色宮内大輔直朝くないだいすけなおともの二男で、1620(元和6)年の利根川氾濫を発端に飢きんが起こった際に、苦しむ村人を救済するために御用船の年貢米を奪って村人に配りましたが、その結果関宿城主に処刑されました。村人たちは輝季の遺徳をしのんで遺体を杉の根元に埋葬、後に社が建立され、輝季を祭神とする「一色様」として現在も信仰されています。

当日踊るメンバーは20代から50代の6人を予定。つくば科学万博で披露された際の映像を何度も視聴し、踊りを知る70代男性から指導やアドバイスを受けながら、神社境内の集会所で練習を重ねています。笛や太鼓のおはやしは、当時の音源を活用しパソコンからスピーカーにつなげて流すことにしています。

「ひょっとこおどり」を練習するメンバー=五霞町川妻。青木大輔さん提供

メンバーの中心、青木大輔さん(42)は「踊りを初めて見たのは3歳ぐらいの時で、おぼろげな記憶しかなかった。つくば科学万博の時の動画を見て、皆で一生懸命練習している」と話し、「今回、久しぶりに踊ってみて、それに対する反応や反響をつつ、今後のことを考えていきたい」としています。

一色神社例大祭は4月21日午前9時から午後4時まで、「ひょっとこおどり」は午前10時と午後2時の2回。子ども向けにお菓子のセットも配布、ゲームなどの催しもあるそうです。

川妻一色神社
鎮座地:茨城県五霞町川妻56-2

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