茨城県境町上小橋の境町文化村保健センターに隣接する「Oyako食堂 ごはんの樹」は、歯科医師がプロデュースしている食育カフェです。食事を通して、子どもたちの健全な歯や口の成長を促す口腔育成と食の大切さを親子で学ぶことができるというので、取材しました。
所々に木の温もりが感じられる店内は、子ども向けのBGMが流れていて、来店していたお子さんもお母さんもリラックスしていました。
月齢に合わせたメニュー
「Oyako食堂 ごはんの樹」は、飲み込む力を身に付ける、ペースト状の「ひよこランチ」、舌の力で食べることを目標にした「こあらランチ」、前歯が生えそろってきたころが目安の「ぞうさんランチ」、幼児食の「ぱんだランチ」など、離乳食開始時期から月齢に合わせた4種類のメニューを用意しています。管理栄養士や歯科医師、調理師が話し合ってメニューを考案しています。地元の食材を積極的に使った一皿一皿は、どれも彩り豊かで、手が込んでいるのが分かります。
管理栄養士の石崎千帆さんは「普段食べているものや月齢に合わせてメニューを提案しています。アレルギーがあるお子さんにはできる範囲で対応しますので、予約時にお伝えください。いろいろご相談ください」と、頼もしい一言をいただきました。
予約なしでも入れますが、一から手作りしており提供まで時間を要することもあるため、予約するのがお勧めです。
大人向けのメニューもあります。根菜類などを使ってかむことを意識した「かむかむカレー」や、月替わりの一汁三菜ランチが人気で、近所の常連さんも通うなど地域交流の拠点としても機能しているようです。
離乳期の食べ方、その後に影響
食育カフェの仕掛け人は、「なかい歯科クリニック」(境町上小橋)の中井巳智代院長。境町で生まれ育ち、29年前に地元でクリニックを開業しました。「当時は虫歯になってから来院する方がほとんどでした。近年は予防歯科の意識が高まり、虫歯になる子どもは減りつつありますが、一方で歯並びの悪い子どもが増えているという感覚があります」と中井院長。
口が閉じられずに口呼吸だったり、上手に舌が使えなかったり、飲み込めなかったり、口腔に関して何かしらの問題を抱えている子どもが多いと指摘します。
「もちろん遺伝的な要素もありますが、口の使い方や体の中に取り入れる食材など、さまざまな要因が重なって問題が引き起こされています。離乳期に身に付いた食べ方が、歯並びをはじめその後の口腔環境に影響を及ぼします。子育て世代をはじめ多くの方に、授乳期や離乳期からの『歯育て』の大切さや、正しい食の在り方をここでお伝えしたいと思っています」。
同店では離乳食や食育セミナー、歯育て教室をはじめ、助産師さんを迎えての講座や親子で楽しめるイベントを定期的に開催しています。詳細内容はインスタグラムでご確認ください。
所在地:茨城県猿島郡境町上小橋540(境町文化村保健センター隣)
営業時間:ランチ11:00~14:00 カフェ14:00~17:00
定休日:木・日曜、他
電話番号:090-1254-4182
インスタグラム:https://www.instagram.com/oyakosyokudo/