元給食のおばちゃんが腕を振るう　平日限定「大人給食」でタイムスリップ　「294TSUKUSHI」　 茨城県下妻市

小学校時代の一番の楽しみは、給食でした。特にきな粉たっぷりの揚げパンが出てくると、うれしいものでした。あれから40年たった今、茨城県下妻市で給食が食べられるお店があると知り、早速訪ねてみました。

国道294号沿いにある「294TSUKUSHI」。アメリカンテイストな外観が青空の下で映えます

今年３月にオープンしたCafe＆Diner「294TSUKUSHI」は、国道294号沿いの立地から来ているそうです。アメリカンテイストで個性的な外観が目を引きます。駐車場から筑波山が望め、それだけで得した気分になりました。

手書きのメニューボードも懐かしさを感じさせます。入店前から期待に胸が膨らみます

入り口に「大人給食」（1000円）の看板を発見しました。この日のメニューは、カレー南蛮うどん、唐揚げ、そして待望の揚げパン！　この段階で期待に胸が膨らみます。

いざ入店。吹き抜けの店内は開放感があり、ハワイアンミュージックのBGMが心地よく耳に響きます。「いらっしゃいませ」の声に導かれ、迷わず大人給食を注文しました。

運ばれてきた大人給食。この日は懐かしいミルメークが付いていました

運ばれてきました！　久しぶりの給食を前に、どれから食べようか迷います。

まずはカレー南蛮うどんをすすります。麺はソフト麺を思わせる太麺ですが、こしがあり食べ応え十分です。カレースープには豚肉、長ネギ、玉ネギ、ニンジン、モヤシ、油揚げと具材がたっぷり入っていて、当時食べていた給食を思い出しました。程よいとろみが麺とうまく絡み合い、箸が進みます。

大人給食とあって味はスパイシーで、辛いものが好きな筆者でも食べ進めるとじんわり汗をかきました。替え玉があれば注文したかったのは、ここだけの話です。

出来たてが運ばれてきた唐揚げは、柔らかくてジューシー。大ぶりサイズが2個というのも嬉しいポイントです。付け合わせのトマトも十分な甘みがありました。

太い麺がカレーと良く絡み合います

そして満を持して食べた揚げパンは、きな粉と砂糖の絶妙なバランスで甘さは控えめです。揚げパン独特のジュワっとした食感に、「これこれ」と嬉しくなり、懐かしい味が口の中いっぱいに広がりました。パンは学校給食に提供しているパン屋さんから取り寄せているそうです。

まんべんなくきな粉と砂糖がまぶされた揚げパン。子どものころに食べた感動がよみがえりました

もう一度「おいしい」が聞きたくて

大人給食を作るのは、下妻市内の小学校で半世紀近く給食の調理担当をしていた村山百合子さんです。「昔、給食室に給食を取りにきてくれた子どもたちが、『おいしかったよ』って声をかけてくれるのが嬉しかった。もう一度その声が聞きたくて始めました」と村山さん。給食をベースに、幅広い年代のお客さんに喜んでもらえる味を提供しています。

野菜や肉、米など食材はできるだけ地元産のものを使用。メニューは日替わりで、一緒に腕を振るうスタッフの皆さんと前日に考えることが多いそうです。カレーライスや八宝菜も人気で、リクエストメニューも受け付けています。

同店のスタッフら。前列右が村山百合子さん

大人給食のほか、キングポークのしょうが焼き、豊加美とよかみロコモコ、ハンバーグなどのメニューもあり、こちらも試したくなります。

現在、大人給食は平日限定で提供していますが、週末も食べたいというリクエストがあるので検討しているそうです。（大人給食は子どもも食べられます）。