栃木県南部の県立高校再編①小山高校が中高一貫校に 何年度から?進路選択への影響は?



子育て

栃木県では2025年度県立高校入試の合格発表があったばかりですが、県立高校を巡ってここ数年、県内で話題になっているのが「再編計画」です。

とりぷれ>エリアでは、小山高校と栃木農業高校、栃木工業高校、栃木商業高校が対象となっています。すでに発表されている再編計画を深掘りし、進路選択に与える影響をまとめました。

小山高校とはどんな学校?

小山市若木町にある文武両道の進学校、小山高校。地元では「おこう」の愛称で親しまれています。

100年あまりの歴史があり、1918年に小山町立農商補習学校として創立。当初は商業科と農業科(現・小山北桜高校)の2学科でした。

普通科が設置されたのは1972年度。そこから2006年度まで普通科は男子のみでしたので、いまだに「小山高校=男子」という印象が強い方もいるかもしれません。

小山高校

現在はすべての学科が共学で、普通科(1学年4クラス)と数理科学科(1学年1クラス)があります。

ほとんどの生徒が大学進学を目指していて、毎年、難関国立大学や有名私立大学の合格者を輩出しています。

部活動も盛んで、剣道部、ウエイトリフティング部は全国・関東大会の常連。野球部は春2回、夏4回の甲子園出場を果たし、プロ野球で活躍した広澤克実さん(茨城県結城市出身)もOBです。

小山高校の再編計画とは?

栃木県教育委員会は2024年1月、「第三期県立高等学校再編基本計画」(2024~2035年度)を発表しました。

小山高校については、1つの学校で6年間の中高一貫教育を行う「中等教育学校」に再編するとしていて、2028年度(令和10年度)の実施が決まっています。

再編後の定員は1学年120人。中学校3年間が前期課程、高校3年間が後期課程にあたり、後期課程は「普通科」となります。

ちなみに、栃木県南部では佐野高校も中高一貫校ですが、こちらは附属中学と高校の「併設型」となっています。

学校の場所は現在のままとみられますが、校名については「新校設立準備委員会にて検討」とされています。

中等教育学校の場合、近隣の茨城県古河市にある「古河中等教育学校」もそうですが、「○○中等教育学校」になる例が多いようです。

小中学生・保護者への影響は?

小山高校が中等教育学校に再編されることで、小中学生や保護者の進路選択にはどのような影響が考えられるのでしょうか。

小学→中学進学

まず、2028年度(令和10年度)からのスタートとなるため、2027年度(令和9年度)に小学6年生を対象とする1期生の入学者選考があると考えられます。

つまり、今年(2025年)4月に新小学4年生となる学年です。小山市周辺の小学生にとっては、進路を考えるうえで新たな選択肢が生まれます。

中学→高校進学

そして、2031年度(令和13年度)には、2028年度に入学した前期課程1期生が高校1年生の年を迎えます。

再編後の小山高校は1つの学校で6年間教育を行う「中等教育学校」のため、2030年度(令和12年度)の中学3年生からは、高校入試で小山高校を受験することができなくなります。

これまで以上に学力面での期待が高まる一方、近隣の公立中学校に通う生徒にとっては、県立進学校の選択肢が1つ減るということになります。

県立普通科志望であれば、栃木高校、栃木女子高校、石橋高校、小山西高校などが代わりの選択肢となってくるでしょうか。

栃木県内唯一の数理科も、再編を期に募集停止になるとみられます。また、昔からの「県立のスポーツ強豪校」というイメージも変わっていくかもしれません。

出典:第三期県立高等学校再編計画(令和6年度~令和17年度)について(栃木県ホームページ)


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