栃木県南部の県立高校再編②栃木商業、栃木農業、栃木工業が統合 何年度から?新校はどこに?



子育て

栃木県では2025年度県立高校入試の合格発表があったばかりですが、県立高校を巡ってここ数年、県内で話題になっているのが「再編計画」です。

とりぷれ>エリアでは、小山高校と栃木農業高校、栃木工業高校、栃木商業高校が対象となっています。すでに発表されている再編計画を深掘りし、進路選択に与える影響をまとめました。

栃木市内3校の再編計画とは?

栃木県教育委員会は2024年1月、「第三期県立高等学校再編基本計画」(2024~2035年度)を発表しました。

その中に盛り込まれているのが、栃木農業高校、栃木工業高校、栃木商業高校の3校の統合です。

統合による新校の誕生は、2028年度(令和10年度)4月。同じ学校の中に農業、工業、商業に関する学科が置かれます。

学科 定員
農業 生物生産系 80人
農業 食品加工系
工業 機械系 120人
工業 電気系
工業 電子情報系
商業 商業系 120人
商業 情報処理系

あわせて、2027年度(令和9年度)末の時点で3校に在学している生徒は、2028年度から新校に転学となります。

また、新校は他学科の専門科目を一部選択することが可能な「未来共創型専門高校」として位置付けられていて、学科の枠を超えた学びが目指されています。

新校はどこにできる?

栃木市内3つの実業高校の統合による新校は、栃木市片柳町にある現在の栃木商業高校の敷地を使用することがすでに発表されています。

新校の設置場所となる栃木商業高校

ただ、2028年度(令和10年度)から新校舎建設に向けた工事が始まるため、2032年度(令和14年度)末までは仮校舎として栃木農業高校と栃木工業高校の2校を使用することになるそうです。

また新校舎完成後も、農業の実習では引き続き栃木農業高校の農場などを使用します。

注目されるのは新校の校名や学科名。再編計画では「新校設立準備委員会にて検討」とされています。

地元では親しみを込めて「とちのう」「とちこう」「とちしょう」と呼ばれてきた3校。新たな学校名はどうなるのでしょうか。

小中学生・保護者への影響は?

3校が統合することで、小中学生や保護者の進路選択にはどのような影響が考えられるのでしょうか。

新中学2~3年生

まず、2025~2026年度(令和7~8年度)の中学3年生は高校入学後、2028年度(令和10年度)春に新校へ転学となります。

そして、新中学3年生が対象となる次の2026年度入試から、募集学科や定員に一部変更があることにも注意が必要です。

学校 学科 2024 2025 2026 2027 2028 2029
栃木農業 植物科学 40人 40人
動物科学 40人 40人
環境デザイン 40人 40人
農業科学 40人 40人
食品科学 40人 40人 40人 40人
栃木工業 機械 80人 80人 40人 40人
電気 40人 40人 40人 40人
電子情報 40人 40人 40人 40人
栃木商業 商業 120人 80人 80人 80人
情報処理 40人 40人 40人 40人
新校 農業に関する学科 80人 80人
工業に関する学科 120人 120人
商業に関する学科 120人 120人

栃木農業高校では現在の4学科を農業科学科、食品科学科の2学科に改編。栃木工業高校の機械科は定員が40人に半減します。

新中学1年生以下

新校として最初の生徒募集となるのは2028年度(令和10年度)。つまり、今年4月の新中学1年生からは、新校が高校受験の選択肢に加わってきます。

定員は農業に関する学科が80人、工業と商業に関する学科がそれぞれ120人です。

先日の2025年度入試でも、栃木商業高校は商業科1.29倍、情報処理科1.27倍と人気でした。栃木農業高校も動物科学科(2026年度から募集停止)が1.45倍と多くの志願者を集めました。

それぞれの分野での専門的な学びに加えて、学科を超えたつながりが生まれそうな新校。今後、カリキュラムなどの詳細が明らかになっていく中で、中学生や保護者からどのように受け止められるでしょうか。

出典:第三期県立高等学校再編計画(令和6年度~令和17年度)について(栃木県ホームページ)


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