とりぷれライター仲間の小波来さんと5月下旬に、茨城県桜川市真壁町の中心市街地から筑波連山のきのこ山(標高527.7メートル)に登り、さらに通称「幽霊林道」をおっかなびっくり歩きました。
その後、JR水戸線の岩瀬駅に近い御嶽山(230.9メートル)から筑波山(877メートル)までの、20キロを超える「筑波連山縦走のみち」のうち、雨引山(409.3メートル)から燕山(つばくろさん、つばめさん、701メートル)までのルートを紹介していないことに気づきました。そこで6月8日(土)に2人で歩いてきました。
今回は雨引観音(楽法寺)まで車で行き、そこから雨引山への登山道に入ることにしました。
石段を上って本堂の前に行き、登山の安全を観音様に祈ります。ここは安産や子育て祈願の寺として知られています。また、毎年4月第2日曜に行われる「マダラ鬼神祭」には、県内外から多くの人が集まります。
本来の登山道(関東ふれあいの道)には雨引観音を少し下った所から入ることになるのですが、境内からも登れるようになっているので、今回はアジサイを愛でながら雨引観音から行くことにしました。午前9時20分、登山開始です。
古里の登山道を整備、83歳男性
この日は好天に恵まれ、私たち以外の登山客もちらほらいました。茨城県結城市から来たという男性(83)は毎週土曜日に登って、登山道の草を刈ったり、アジサイを手植えしたりしているそうです。生まれ育ちは桜川市ということで、故郷の登山道の安全や景観の向上に人知れず貢献しています。
男性と分かれて5分ほど登ると、雨引山と燕山との分岐点に出ました。ここからが燕山への本格的な登山道になります。燕山は峰が2つある双耳峰で、北峰が標高701メートル、南峰が698メートルです。もちろん、男体山(871メートル)と女体山(877メートル)の峰を持つ筑波山も双耳峰になります。
登り出しは小さなアップダウンの繰り返し。木の階段が整備されていて、比較的歩きやすくなっています。しかしイノシシの仕業でしょうか、木の根の周辺が掘り返されている所がそこかしこにあります。このあたりはクマに遭遇する危険はなく、筆者は山歩き中にイノシシを見たこともありませんが、たまたま遭っていないというだけで、出没しているようです。
登り始めてから約50分、明るさが増して眺望が広がりました。
木や草が伸びてしまってあまりよく見えないのですが、桜川市岩瀬地区の山並み、町並みを望むことができます。
さて、ここから残り2キロちょっとで標高差約350メートルを登ります。急な登りと緩やかな登りの繰り返し。低山とはいえ楽ではありません。
二輪車の通行を禁止
登山道にはコースを案内する看板とともに、オフロードバイクやマウンテンバイク通行禁止の看板も複数立てられていました。こうした所は二輪車が往来すると、道が削れて大きくくぼむなど荒れて危険になります。二輪車が走っていい場所とそうでない場所、ルールを守りきちんと区別する必要があります。
最後は急こう配の「難所」
削られて歩きづらい道を登り下りしながら、最後の「難所」に臨みます。急な階段が続いたり、ロープを伝って登ったりします。
階段があると安全ではあるものの、自分のペースで登るというよりも階段ごとにその高さや幅に合わせて登る必要が出てくるため、疲労します。
特に燕山の山頂直下は、200メートル進むために70メートル登る必要があるため、なかなかの「強敵」と言えます。
息を切らし、ふくらはぎの痛みに耐えながら歩を進めると、人の話し声が聞こえてきました。下界は見えないものの、山頂に到着です。午前11時18分、スタートから約2時間とまずまずのペースです。
山頂では70代ぐらい、男女7人の一行がにぎやかに写真を撮っていました。茨城県城里町や桜川市の方々です。しばらく談笑します。皆さん元気で、自分も将来、こうありたいと思いました。
山頂近くの東屋で休憩し、次の目的地である加波山に向けて、体力を回復させます。
※(下)に続きます
※筑波連山登山の過去記事